ノウルシ

野原に生え、茎を切ると出る乳液がかぶれをおこすためこの名前があります。
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ノウルシ/野漆
ノウルシは海岸や川辺の草地に生える多年生の早春植物です。
本州から九州・四国に分布しています。絶滅が心配される植物のひとつに入っていて、環境省レッドデータブックの「絶滅危惧II類(VU)=絶滅の危険が増大している種」になっていますが、まぁ確かにアチコチにあるわけではないでしょうね。とは言っても、サクラソウの自生地で知られている、埼玉県田島ヶ原には、このノウルシも群生しています。
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【◇科名:燈台草科 ◇属名:ユーフォルビア属(Euphorbia=ユーフォルビアはローマ時代のモーリタニアの王Juba(ユバ2世)が侍医 Euphorbus(エウフォルブス)の名を付けたもの。彼が初めて Euphorbia resinifera などの乳液を薬に使ったため。 ◇学名:Euphorbia adenochlora(adenochlora=腺が緑色の)】
花の周辺にあるのは苞葉という部分なので、黄色い部分全部が花ではありません。花は黄色の部分の中心にある小さなところです。雄花はその中にある数本と、中央から1本の雌花を出します。
ノウルシの花は茎の先端から5本の枝が出てその先に花序がつきます。
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茎の先端付近の葉や、花序の苞葉が鮮やかな黄色であり、全体があたかも花のように見えるンです。
他のトウダイグサの仲間とは子房と腺体の形で区別します。
因みにコチラが科名の【トウダイグサ
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路端にも見られます。
ノウルシの花は、子房が飛び出していますが、この子房の表面の突起がノウルシの特徴です。黄色く花のように見えるのは総包と呼ばれる葉の変化したものです。
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コチラが、ノウルシの膨らみ始めた実です。まだ黄色の花びらのように見える総包が残っていますね。