フジマメ

フジ(藤)の花を逆さにしたようなフジに似た花に因んだのが名前の由来。
葉の脇に淡い紅紫色または白の蝶形花を咲かせます。

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==【フジマメ/藤豆】==
高さが50~600センチにもなる蔓性植物です。原産地は東南アジア、インド。

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日本への渡来については、平安時代の新撰字鏡(昌住撰899年頃)、本草和名(深根輔仁918年頃)にフジマメの記述があり、渡来年代は古いのですが栽培や利用していたかどうかは不明のようです。
*インドでは3000年前から栽培されていたといわれています。1654年に『中国の高僧、隠元(※下記に説明)』によって我が国にもたらされたとされているのですが、このため関西では藤豆を『隠元豆=インゲンマメ』と呼ぶことが多いようです。
※中国の明国福建省帰化僧で、日本黄檗(おうばく)宗開祖(大本山宇治市黄檗山万福寺)の『隠元禅師(いんげんぜんじ)』が、1654年に現在一般的に云う『いんげん豆(隠元禅師に因んで名付けられた)』を持ち込んだとされていますが、実はフジマメであったと云うのが定説のようです。
因みに、一般に云われる『いんげん豆』は『菜豆(サイトウ)』とも云って、原産地は南米。インディアンが古くから栽培していました。中国には16世紀末ごろ伝わり、日本へは江戸時代初期に中国を経て伝わっており、略同時期だったので混乱したようです。

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《◇科名:マメ科 ◇属名:フジマメ属(Lablab=ヒルガオのアラビア名。巻き付くという意味があります。フジマメの古い属名に転用) ◇学名:Lablab purpureus(purpureus=紫色の)》
葉の特徴葉は3出複葉(1枚の葉が3つの小さな葉に分かれた形)で、互生します。 小葉の形は幅の広い卵形で、鋸歯はありません。
実の特徴花の後に豆果(莢の中に種子が入るもの)が出来ます。 莢(さや)は扁平で、長さが4~10センチくらいになる。
別名に『センゴクマメ(千石豆)』『アジマメ(味豆)』

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※江戸時代の地方名を載せた『物類称呼(越谷吾山著1775年)』などには、他にも別名として、加賀では『ツルマメ(蔓豆)』伊勢・伊賀の『センゴクマメ(千石豆)*千石船に似ているので』岐阜・愛知の『マンゴクマメ(万石豆)』前述の関西の『インゲンマメ(隠元豆)』九州では『ナンキンマメ(南京豆』が記されていて、他にも眉児豆、蛾眉豆、扁豆、だら(馬鹿)豆、サイマメ、八升マメ、トウマメ、源氏マメ、アジマメetc...などがあります。因みに、だら(馬鹿)は金沢などの方言。コチラは【シロフジマメ】

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インドを中心とした熱帯、暖温帯アジアでは若莢はスナップ豆として食べられ、またインドでは完熟種子がダールとして食べられています。

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日本では、未熟果の莢(さや)を食用とするほか、種子を乾燥したものを生薬で'''『白扁豆(はくへんず)』といいます。解毒剤や疲労回復薬として利用されます。
成分にはデンプン、ビタミンA・B・C、ニコチン酸などが含まれています。(*非常に微量ですが、青酸配糖体が含まれています)
茎葉の繁茂量が多いので飼料、緑肥としてアメリカでは鑑賞用に栽培されます?