アザミ

北海道から本州の中部地方にかけて分布し、山地の草原や日当たりのいい斜面に生えるアザミの仲間で、日本固有種です。
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ノハラアザミ 野原薊
草丈は60センチから100センチくらいになります。茎が真っ直ぐに伸びて、上部で枝分かれをすします。根際から生える葉は花期にも残っていて、羽状に深く裂けます。
茎につく葉は上部になるほど小さくなって、つけ根では茎を抱く形になります。
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◇科名:キク科 ◇属名:アザミ属(Cirsium=ギリシャ語の「cirsos=静脈腫」から。静脈腫に薬効のある植物につけられた名が転用されたもの ◇学名:Cirsium tanakae(tanakae=信州の植物を研究した「田中芳男の)
開花時期は8月から10月で、名前が似ている『野薊(ノアザミ)』と言うのがありますが、違いは『野薊』のほうが開花時期が早く5月から8月になります。頭花は紅紫色で、枝の先に直立して花がつきます。
頭花は小さな筒状花の集合体で、筒状花は両性花で、雄蘂と雌蘂があります。花の先にある針のような棒が雄蘂。
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先が枝分かれしているのが雌蘂の花柱になります。
花の後にできる実は、熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見える痩果。
野原薊は総包片が短い針状になり、やや反り返りますが、野薊(ノアザミ)は、頭花のつけ根にある総苞がふくれて粘着します。
全草を生薬で小薊(しょうけい)といって、強壮、利尿、止血、消腫の薬効があります。

コチラも日本固有種です。
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千葉県から九州にかけて分布していて、名前のように海岸の砂地に生えます。
草丈は15センチから60センチくらいで、茎には短い毛が生えています。
ハマアザミ 浜薊
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根際から生える葉と茎につく葉があって、葉は肉質で艶があります。羽状に切れ込んだ葉の縁には鋭い刺があり、葉の裏面の葉脈上には毛が生えています。茎につく葉には柄はなく互生につきます。
開花時期は7月から12月で、茎の先に紅紫色の頭花をつけます。
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総苞片と呼ばれる花序全体を包む葉の変形したものの上部は、斜めに立ち上がるようにつき(※開出と言います)刺状になります。
花の後にできる実は痩果。
◇科名:キク科 ◇属名:アザミ属(Cirsium=ギリシャ語の「cirsos=静脈腫」から。静脈腫に薬効のある植物につけられた名が転用されたもの ◇学名:学名:Cirsium maritimum(maritimum=海浜に生える)
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根が『牛蒡ゴボウ』に似ていて食べられるので、別名で『浜牛蒡(ハマゴボウ)』とも言います。