カラスウリとカラスノゴマ

スズメの次はカラスです。レース飾りのような白いきれいな花。花冠の先が細裂して糸の様になります。
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カラスウリ 烏瓜
コチラが…
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カラスウリ 黄烏瓜
北海道~九州に分布し、雌雄異株です。つるだけでは雄株か雌株かは分からないのですが、雌花は花の基部がふくらんでいるので花が咲けば区別ができます。
花期は7~9月頃で夕方~朝にかけて開花します。
実がよく目立ち、烏が好んで食べることから「烏瓜」なのですが、カラスしか食べないから…と言うのもその一つ(笑)。
『烏瓜』の実は葉が枯れる秋に赤く熟しますが『黄烏瓜(キカラスウリ)』はその名のとおり黄色く熟します。
イメージ 6カラスウリ』と『キカラスウリ』はよく似ているのですが、葉っぱでも花でも見分けはつきます。
『キカラスウリ』の葉は、丸みを帯びて滑らかです。
対して『カラスウリ』の葉は朝顔の葉に似てシャープで表面に毛があります。
チョッと画像がブレてますが…コチラはキカラスウリの葉っぱ。
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また、どちらの花も夜から朝方まで咲きますが、開花時間の長さが違います。
イメージ 2『キカラスウリ』の花は朝方まだ咲き残っています。
昼近くまで咲いている事もありますね。
しかし『カラスウリ』の花は朝には萎んでしまいます。
普通、夜に咲く植物はスズメガの仲間に花粉を運んでもらうために、白や黄色の明るい色の花をつけ、良い香りを漂わせます。
カラスウリに比べてキカラスウリの方が開花時間が長いということは,なにか花粉媒介の仕組みに違いがあると思われますね。
『黄烏瓜』の方が花弁は広めですね。『烏瓜』は花弁が細めでハッキリしてます。

◇科名:瓜科 ◇属名:カラスウリ属(Trichosanthes=トリコサンセスは、ギリシャ語の「thrix(毛)+anthos(花)」が語源。 ◇学名:Trichosanthes kirilowii var. japonica(◇学名:Trichosanthes kirilowii var. japonica(Kirilowii=採集家キリロフの) *烏瓜はTrichosanthes cucumeroides(キュウリ属に似た)
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*キカラスウリと同種のオオカラスウリ(T.bracteata)の根の皮層を除いた根は?談楼根(カロコン)という生薬です。解熱、止渇、消腫などの作用があります。また?談楼根のデンブンが天花粉です。
※粉末の状態が天花(雪のこと)のようにサラサラしていることから天花粉。近年は、タルカムパウダーなどもそう呼ばれていましたが、ベビーパウダーの用途とは少し違います。
あれ?じゃあ『シッカロール』は? 実は『シッカロール』はベビーパウダーのカテゴリーに入りますが、『和光堂』の登録商標なのです。シッカは、ラテン語の乾かす(=シッカチオ)から作られた名前です。主成分は『タルク』という滑りやすく細かい粉末で、余分な水分を吸い上げて蒸発させる効果を持っています。これに澱粉などを配合して作られています。
タルクは『滑石=タルク』などの鉱物と、コーンスターチなど植物のデンプンです。日本古来の天花粉も目的は同じのものです。
天花粉(てんかふん=てんかふ)』はもともとの字は『天瓜粉』です。コレは、もともとは『キカラスウリ』の根から取る澱粉のことなのです。『シッカロール』は和光堂登録商標で、同社は国内ベビーフードの老舗で業界最大手。その他ベビー用品関連を数多く手掛けるメーカーです。創業者の弘田長は国内で初めて小児科を作った人物で、また国内最初の粉ミルクを作った人物でもあります。
花言葉は…「良い便り」

コチラもカラスですが…
『キツネノマゴ』のように何処にでもあるという訳じゃあないですよね。
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マゴ(孫)ではなくて…ゴマ(胡麻)です(笑)。
確かに孫ではあり得ないですな~wwww
カラスノゴマ
雑草で背丈はせいぜい60センチくらい程で、それほど大きくならず花が下向きに付くのですが、黄色いカワイイ花が目立ちます。そのわりには名前を知らない人がけっこう多いと思います。まぁ…雑草の扱いですからね…
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◇科名:シナノキ科 ◇属名:カラスノゴマ属(Corchoropsis=同じ科の属名に「Corchorus」+「opsis=似」。葉状が似ているため 学名:Corchoropsis tomentosa(Thunb.)Makino(tomentosa=密な綿毛のある)
変わった名前ですが、種子がゴマの実のような実をつけるのですが食べられないので、カラスが食べるゴマにたとえて、この名がついたのだそうです。
因みにこれ以外にカラスの名が付くものとしては上記の『カラスウリ』『キカラスウリ』の他にも…『カラスノエンドウ』や『カラスビシャク』『カラスザンショウ』などがありますね。
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ですが…ゴマ科ではなくシナノキ科の仲間なんです。しかしシナノキ科と言えば普通は『シナノキ』や『菩提樹(ボダイジュ)』を思い浮かべますよね。シナノキ科って草本もあるンですよ。
花は直径1.5~1.8センチ、花弁は5枚。茎頂の花以外は、葉の陰に隠れるように下を向いて咲きます。
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雄蘂が10~15個あってその間に雄蘂より長い仮雄蘂(かゆうずい)が5個。
雄しべの葯(やく)や花糸が発達しないか、退化したものを「仮雄蕊(かゆうずい)」と呼びます。、
右側上の方に、種子になり始めのサヤが見えますが、わかりますか。

果実は朔果になり、長さは3cmcmくらいの細長い棒状。熟すと3ツに裂けます。
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カラスノゴマの実
1枚の葉の腋から1ツずつ花をつけることから「情熱的な恋や夫婦愛」といった花言葉があります。