ツクシシャクナゲ

外国に日本のシャクナゲとして初めて紹介されたのが、この『ツクシシャクナゲ』なので、『ホンシャクナゲ』とも呼ばれています。
ツクシシャクナゲ 筑紫石楠花
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◇科名:ツツジ科 ◇属名:ツツジ属(Rhododendron=「rhodon=バラ+dendron=樹木」。転じて紅花を着ける木の意で、初めは西洋キョウチクトウの名だったもの  ◇学名:Rhododendron jjaponoheptamerum 
樹高3~4mで淡紅色の花を咲かせます。
本州中部地方西部以西、四国、九州の1600m以下の高地に自生するシャクナゲの仲間です。
高さは大きいものでは4mに達する常緑小高木で、枝は太く、若枝のうちは褐色の長い綿毛があります。豊前市犬ヶ岳の『ツクシシャクナゲ』は 国指定天然記念物です。
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シャクナゲは、ヒマラヤ一帯に発達してきましたが、ヨーロッパ、北アメリカには5000万年前から自生していたことが知られています。
シャクナゲは高山性で冷涼な環境を適地としますが、ツクシシャクナゲは低山地にも適応します。

日本では、『ツクシシャクナゲ』『ハクサンシャクナゲ』『キバナシャクナゲ』の3系統が自生しています。淡紅色の『ツクシシャクナゲ』『アズマシャクナゲ』『ヤクシマシャクナゲ』の系統がなじみ深いのですが、華やかさにおいてはこの『ツクシシャクナゲ』が人気があるようです。コレは、他の『アズマシャクナゲ』や『ヤクシマシャクナゲ』の花弁が5枚でオシベが10本なのに対して、『ツクシシャクナゲ』は花弁が7枚で、かつ長いオシベが14本あって目立つためのようですね。
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花冠は漏斗状で、花径は4~5㎝で7裂します。
葉は革質で光沢があり、倒披針形で長さ10~20㎝、新葉のうちは両面に褐色の長綿毛があります。表面の毛は早落して消えるのですが、裏面の毛は密生して残ります。
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淡紅色の花は房状になった基部の方から咲き始めますが、そのとき頂部のつぼみは濃紅色なので、その色のコントラストが綺麗です。
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この『ツクシシャクナゲ』は、自生地による変化が多く、九州の三俣山産のものは『ミツマタシャクナゲ』と呼ばれ、白花が『シロバナツクシシャクナゲ』と呼ばれます。
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