シュロソウ

花の色は独特の暗めの赤紫褐色です。やや湿り気のある草地や林の中に生える多年草
《シュロソウ 棕櫚草》

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北海道から本州の中部地方にかけて分布し、山地や亜高山の草地や林の中に生える多年草
草丈50~60cmくらいで、葉は長い楕円形で、茎の下部に集まってつきます。
和名の由来は、茎の基部に古い葉鞘の繊維がシュロ皮(シュロ の幹の周りに付く毛のような皮)に似たものがつくことから。

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【◇科名:属名:Veratrum=ラテン語の「verator=予言者」から。この属の植物の根にくしゃみを起こさせる薬効があり、北ヨーロッパに「くしゃみをしてから言うことは真実」という諺(ことわざ)があるため ◇学名:Veratrum maackii var. japonicum(maackii=ロシアの分類学者「マーック(R. Maack)」のという意味)/変種名japonicum=「日本の」】
元々、薄暗い林の中に育ち、このような花の色なので、大きく伸びても目立つことはないです。

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開花時期は6月から8月くらいで、茎先に円錐花序(*枝分かれして全体が円錐状に見えるもの)を出し、暗い紫褐色をした花径1センチくらいの花をたくさんつけます。

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花序の上部の花は両性花で、下部につくのは雄花。コレが棕櫚草属の特徴です。花被片は6枚です。

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花の後にできる実は熟すると下部が裂け、種子が散布される朔果。

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根茎に、アルカロイドのペラトラミンやジェルビンなどの強い毒を含む毒草です。
誤って食べると苦みがあり、吐き気、手足に痺れ、けいれんなどの症状が現れ、摂取量によっては意識不明に陥ることもあるらしいです。

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新芽がオオバギボウシに似ていて、誤って採取して誤食してしまうケースがあるので注意が必要です。