ナヨクサフジ

和名の由来は『藤』に似た花をつけるところからきているのですが、藤とは異なり花序が上向きに咲きます。
==《弱草藤 ナヨクサフジ》==

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日当たりのよい草地や林の縁などに生え、草丈は80センチから150センチくらいになる蔓性多年草です。
中国では薬用に用いて、生薬名を『透骨草(とうこつそう)』と呼びます。
リューマチなどの痛みや皮膚病に効果があるということです。

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ヨーロッパ原産で飼料や緑肥として栽培されているそうです。1943年に天草島での帰化が報告され、現在では本州~沖縄県にかけて道ばたや河川敷に見られるようになりました。
葉腋に花序を立て、長さ1.5cmほどの紫色の蝶形花を1方向に穂状につけます。
茎はよく分岐して他物にまとわりついて広がり、長さ2mほど。葉は8対から13対の羽状複葉(*鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並んで1枚の葉が構成されるもの)で、互生につきます。頂片は巻きひげになります。

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基部には、やや不規則な形状をした托葉があって互生します。萼筒はほぼ無毛で柄が下側につきます。

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旗弁の爪部(筒状部)が長く、旗弁の舷部(そり返った部分)のほぼ2倍の長さがあります。
【◇科名:マメ科 ◇属名:ソラマメ属(Vicia=ラテン語の「vincire=巻きつく」から。この属には蔓性の植物が多いことから ◇学名:Vicia villosa subsp. varia】
開花時期は5月から9月で、上部の葉の脇に腋に総状花序を出して、小さな青紫色の蝶形の花をたくさんつけます。花の後に豆果ができます