カジノキ

え~~、今日は6月8日、早いもので今月の末で一年の半分が過ぎる事になりますね。で…1ヶ月後の7日の日は…そうです七夕🎋
七夕といえば…笹の葉に願い事を短冊書いてぶら下げますが、、、、、
この木の葉は昔、七夕祭りに供える和歌を認(したた)めるのに使われました。

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==《カジノキ/梶の木》==
この梶の葉の裏側は細くて滑らかな毛がたくさん生えているため墨の乗りがよく、紙の原料としても使われていたのです。日本の和紙のほとんどは、このカジノキが原料で、東南アジアからの輸入によるものだそうです。

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中国中南部インドシナ、マレーシア原産ですが、日本でも本州中部以西に野生化しています。和紙の原料の コウゾは、このカジノキと ヒメコウゾ を交配させたものです。
笹に短冊を飾るようになったのは江戸時代になってからのことで、昔はこの梶の葉に和歌をしたためて祀っていました。

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【◇科名:クワ科 コウゾ属(Broussonetia=ブラウソネッティア。[Pierre Marie Auguste Broussonet(1761~1807)]フランスの医師で自然科学者)にちなんだ名前 ◇学名:Broussonetia papyrifera(papyrifera= 紙を持った)】

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雌雄異株で、花は5月頃に咲きます。
大きくて橙色の実。コレは雌花ということになりますね。

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『カジノキ』は基本的にはハート形の葉なのですが、不規則に3~5裂する葉が混じります。この不規則な切れ込みが入ったザラザラする葉を持つのが、クワ科の特徴なのですが、とりわけ『カジノキ』の若木の葉は切れ込みの数が多くて深いです。

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単に『カジ梶』または『コウ構』とも呼ばれます。『カジノキ』の葉は同じクワ科の『コウゾ』に似て互生または対生で、やや厚く左右が不整でです。長さは10~20センチで幅が7~14センチのほぼハート形。葉の表面は灰緑色でざらつき、裏面には短毛が密生しています。葉柄は2~10センチと長く掌状脈。

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梶の木平安時代から神聖な木とされ、神社の境内に植えられることが多く、『諏訪大社』では葉と根元(上社4本、下社5本)が神紋=紋章となっています。

え~~、因みに…現代では和歌ではなく、お願い事を短冊に書くのだと思いますが…
七夕に一年に一度会うために天の川を挟んで輝いている織り姫と牽牛は、逢うだけでズッと一緒になれないでいるのですよ。その自分たちのことで一生懸命なお二人に願い事をしても、とても…そんな余裕はないと思うのですが、どんなものでしょうか(爆)

話を戻して…宮中行事を伝承する京都の冷泉家では、今でも古式ゆかしい七夕の歌会や乞巧奠がとり行われており、梶の葉が重要な役割を果たしています。 ※『乞巧奠』=陰暦7月7日の行事。女子が手芸・裁縫などの上達を祈ったもの。もと中国の行事で、日本でも奈良時代、宮中の節会(せちえ)としてとり入れられ、在来の棚機女(たなばたつめ)の伝説や祓(はら)えの行事と結びつき、民間にも普及して現在の七夕行事となった。乞巧祭会(きこうさいえ)《季 秋》
秋の夜は暁(あかとき)寒し白妙の妹が衣手着むよしもがも  作者:大伴池主
ここ越中の地では)秋の夜は未明の頃ひとしお冷え込みます。いとしい人の衣をまとえる手立てがあるとよいのですが
【語釈】「妹が衣手着」は恋人(妻)の脱いだ衣を纏うことを指します。その衣の下で、肌を触れ合わせて寝ること。
※栲(たえ)=楮(こうぞ)で作った白い布をいいます。「白妙の~」の用法は次のようなものがあります。
「白妙の袖・白妙の衣(ころも)・その他の使われかた:紐、領布(ひれ)、袂、襷(たすき)、帯(おび)」