ヒペリカム・カリシナム

6月に入ると、公園や道路に面した生垣などに、黄色い花をいっぱいに付けた花木を目にすることが多くなります。枝先に濃い黄色で、五弁の花を次から次に咲かせるので目につきます。
それらの花は、オトギリソウ科オトギリソウ属の半落葉小低木の花ですが、見た目に似てますが、よく観察すると異なるものだというのが分かります。
一般的に最も馴染み深い花で、かつその名前も多くの方が知っているのが、多分【キンシバイ】です。

イメージ 8

公園やビルの前にある植え込みなどでよく見かける花ですよね。鮮やかな黄色の花で、花の数も多く見た目に印象的な花です。
キンシバイ(金糸梅)】は雄しべを金の糸に、5弁の花を梅の花に見立てられて付けられた名称です。

イメージ 9

ですが…本来のキンシバイは下垂性で、花弁はオシベと長さがあまり変わらず、あまり大きく開きません。因みに、この一般的によく見かける【キンシバイ】と呼ばれてるのは、正確には園芸品種である【ヒペリカム・ヒドコート(大輪金糸梅)】ですね。大輪の名にふさわしく花弁が大きく全開しています。
キンシバイは、中国原産で、江戸時代に渡来したといわれる半落葉小低木です。オトギリソウ科オトギリソウ属。
本種のことを単に「ヒペリカム(Hypericum)】ということもあるようですが、ヒペリカムは、オトギリソウ属のラテン名の事なのて、必ずしも正確ではないですね。
葉は対生で長い楕円形で、暖かい地方では落葉しないことが多いですね。

キンシバイと同属のビョウヤナギもよく見かけます。

イメージ 7

==【ビョウヤナギ(未央柳)】==

イメージ 4

中国の楊貴妃の宮殿・未央宮に因んだと言われ、葉が柳に似ていることに例えられたと言われています。

イメージ 5

花が華やかで美しく、株立ちし枝先に弓なりに数個の花を付け垂れ下がり、遠目でも優雅な花です。

イメージ 6


さて、先日多摩ニュータウンの歩道脇の植え込みにあったのがコチラの花。

イメージ 3

歩道の植え込みの地面から30cmに満たない草丈です。普通に1mを越えるものも少なくないビョウヤナギとは、遠くから見ると格段の差がありますね~。

イメージ 1

==《ヒペリカム・カリシナム》==
花自体は大変よく似たビョウヤナギとこのヒペリカム・カリシナムの最大の判別方法は、その草丈の差です。草丈20~50cmの矮性種で、花は小さめですが、ここはまだ咲き始めでしたが、株全面に咲くと見事です。
前述説明したように、ヒペリカムはオトギリソウ属のラテン名で、このヒペリカム・カリシナムは原産地がブルガリア・トルコ周辺の別名セイヨウキンシバイと呼ばれる種類の花です。

イメージ 2

また、おしべの先端の色が、どちらかと言うと、この【ヒペリカム・カリシナム】の方はオレンジ色に濃い感じですね。
ビヨウヤナギやキンシバイと同じくオトギリソウ科、オトギリソウ属です。
半日陰地でも、日なたでもよく育ち、花期も長いです。葉が黄金色の品種もあります。