ノアズキ

花はエビスグサ(←記事)に似ていますが、葉っぱが全然違うので、間違えることはない。
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ノアズキ 野小豆
林縁や草地などに生え、茎は地面を這い1メートル以上になります。
茎や葉には軟毛が生え、葉の裏面と萼には赤褐色の腺点があります。8月から9月ごろ、葉腋から総状花序をだし、黄色の蝶形花を咲かせます。竜骨弁は筒状で捻れています。別名で「ヒメクズ(姫葛)」とも呼ばれます。
◇科名:マメ科 ◇属名:ノアズキ属(Dunbaria=インド名「dunbar」から) ◇学名:Dunbaria villosa(villosus=軟毛のある、長軟毛のある)
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中央の竜骨弁はねじれ、左の翼弁と一緒に上をむいています。右の翼弁は竜骨弁の基部をとり巻くような形。なんとも複雑な花形です。
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藪蔓小豆マメ科ササゲ属の蔓性一年草です。本州から九州にかけて分布していて山野の草地に生えます。蔓は3メートル以上も伸びます。葉は3出複葉で互生します。小葉の形は卵形ですが、先は鋭く尖り、浅く3つに裂けるものもある…というのが判別ポイント。
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実はこの『藪蔓小豆』が『小豆(アズキ)』の原種と考えられているそうです。
で…中国で改良された『小豆(アズキ)』が2000年以上前に日本に伝わったのです。
栽培されているアズキは古い時代から食用に栽培されてきた一年草
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7-8月に葉腋に黄色の蝶形の花をつけます。葉はノアズキと同じく3出複葉で葉身は卵円形、全縁です。11月頃に、さやの中に10個程の種子ができます。種子はタンパク質、ビタミンB1カリウムを多く含みます。北海道が主な産地。
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英名は『Azuki bean』で、別名は『ショウズ』 。中国原産で、古事記にも登場するくらい日本での歴史は長いですね。
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歴史は古いのですがアズキは万葉集には詠われていません。まぁ普通は豆と言えば大豆なのですが…。豆の歌は僅かに一首だけです。
しかしこの歌は天平勝宝(てんぴょうしょうほう)7年(755)2月9日に、上総國(かずさのくに)の防人(さきもり)を引率する役人である茨田連沙弥麻呂(まむたのむらじさみまろ)が進上したとされる歌の一つなので、小豆ではありませんね。防人として選ばれた「丈部鳥(はせつかべのとり)」という人が、奥様との別れを惜しんで詠んだ歌です。
原文:美知乃倍乃 宇万良能宇礼尓 波保麻米乃 可良麻流伎美乎 波可礼加由加牟 丈部鳥
道の辺の 茨(うまら)のうれに 延(は)ほ豆の からまる君(きみ)を はかれか行かむ