エリマキツチグリ

学名が『地上の星』というキノコです。
記事アップは植物の書庫ですが、キノコなので、正確には…植物ではないですよね。
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名前も変わっております。
エリマキツチグリ 襟巻き土栗
エリマキツチグリは,ヒメツチグリ科の菌の中では 普通にみられる種類です。
どちらかというと落葉の多い 暗い森林の下を好んで繁殖し、大抵は何個体もまとまって生えています。
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植物の落ち葉や細い枯れ枝などを分解して栄養源とする腐生菌の一つ。
樹種は特に選ばないようです。
◇科名:ヒメツチグリ科 ◇属名:ヒメツチグリ属(Geastrum=「geo=地上の」+「astrum=星」という意味) ◇学名:Geastrum triplex(triplex=三重の)
外皮中層の内面はほぼ平滑で、鮮時には淡いオレンジ褐色ですが、古くなると暗褐色に変わってきます。
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内皮は丈夫な革質で径1-3㎝、上下に僅かにつぶれた球形をしています。表面は淡い灰褐色ないし赤褐色で,ほぼ平滑あるいはかすかに毛ばだっていて、上部はやや円錐形に小さく突出し、その先端に一個の頂孔を開きます。
内部に形成された胞子は頂孔から噴出して分散します。
頂孔の周囲は繊維状の『口縁盤』と言う組織に囲まれ、そのつけ根は浅い円形のくぼみになります。

しかし,本種も含め,日本に産するこの手の キノコたちの和名には「○△ツチグリ」「◆※ツチガキ」と言うものが多くあります。
え??そんな事はイイから、これの何処が…地上の星だって?
ここまでは外皮だけの画像ですが、コレが裂けてくると…
成熟すると、厚い外皮は頂端から放射状に裂けて開き始めます。胞子塊を含んだ偏球形の内皮を露出して、全体の径は3-8㎝程度になります。
学名にあるように星状に裂けて開いた外皮片は外側に反転します。
このように外皮(星型の部分)が内皮(中央の球形の部分)の周りで襟巻き状に 裂けるのは、外皮の内側が 外側に比べて弾力性に欠けるため,こうなるらしいです。
薄い外層と厚くてもろい中層とで構成され、中層の基部は内皮の根元を取り囲むように、襟状をなすので、この和名がついています。
確かに丸い幼菌は 栗に見えなくもありませんが…。内皮の中の組織は、最初は純白色で肉質なのですが、成熟すれば紫褐色に変わり、ほこりまみれの古い綿状になります。

さて…地上の星と言ったらコレ…ですかね(笑)。

このキノコ、一応…有毒ではないようですが、食べても味はないそうです。