イタヤカエデ

イタヤカエデは世界的に見ても種類が多く、存在感のあるカエデです。日本以外に中国、西アジア、欧州にまたがって大きく分布しています。それらの変種、亜種、種類まで見ますとかなりの数になります。 亜種、変種がたくさんあり、それぞれに和名とその別名があります。ノルウェーメープルもこの仲間です。主な種では『エンコウカエデ』『タイシャクイタヤ』『ウラジロイタヤ』『アカイタヤ』『エゾイタヤ』『オニイタヤ』『イトマキイタヤ』など。と言うことで…単に『イタヤカエデ』と言う場合は、総称名の意味合いを指します。
イタヤカエデ 板屋楓
イメージ 1
雨宿りができるくらいに、葉がよく繁り、板でふいた屋根のようなのでついた名。
日本産のカエデの中で木材材料として最も重要なものが『イタヤカエデ』です。
先述したようにイタヤカエデには種類が多い。葉は対生で、5あるいは7、9裂し縁が全縁であるものを、『イタヤカエデ』と呼びます。葉は裂数、裂部の浅い深い、毛の有無により、亜種が分かれます。
で…コレはそのうちの何?と言うと、オイラの見たところでは…『アカイタヤ』だと思いますが。。。。。間違ってたら、ゴメンナサイ。
『アカイタヤ』は春には新しい葉が赤みを帯び、黄色の花と共に森の木々の中で独特の色合いを示すところから名付けられたといわれています。
イメージ 2
これはイタヤカエデの種子です。『イロハモミジ』『ハウチワカエデ』『カラコギカエデ』『トウカエデ』『ミネカエデ』『ホソエカエデ』 など、カエデの仲間に多いプロペラ状の羽根がついています。
カエデ類の特徴は、この翼を持った種子ですね。
イメージ 5
翼果は2個が向き合ってプロペラ状に付いています。熟しすと分かれて別々に落ちます。この翼果の開く角度も、亜種により変化があってそれぞれ違います。
熟して分離した翼果は、クルクルと回転して落ちます。翼果が乾燥して軽くなり、クルクルと回転して落ちることにより対空時間が長くなるので、風に乗り遠くまで飛ばされるわけですね。
因みに…2個の種子を分離せず、対のまま落としても回転はしないです。もしもお子さんなどに見せるときなどには要注意。
◇科名:カエデ科 ◇属名:カエデ属(Acer=カエデの一種 「A.campestre」のラテン名。この言葉には裂けると云う意味があって、切れ込んだ葉形に基づいたもの) ◇学名:Acer mono(mono=単一の)
イメージ 4
樹皮は暗灰色で、わずかに縦縞の模様があります。老木になると浅く裂けてきます。カエデ類は陰樹で、総じてあまり大きくならないのですが、イタヤカエデは直径1mになるものもあります。材は堅く、スポーツ用具にも使われています。
イメージ 3
イタヤカエデは紅葉ではなく、黄葉します。大まかには5裂で深裂のものは『エンコウカエデ』7~9裂で浅裂、『シイ』『カシ』帯のものが『オニイタヤ』で、オニイタヤの葉裏全体に特有の短毛があります。ブナ帯が『イトマキイタヤ(別名モトゲイタヤ)』に分類されています。『エンコウカエデ』も、毛の有無などで亜種を分けるようです。やや分厚く葉裏が粉白色なのが『ウラジロイタヤ』
葉裏が粉白色のメープルには、日本産のものではハナノキ、やクスノハカエデがあります。外国産のものでは、北米産のシルバーメープルをはじめとして、欧州産の西洋カジカエデ、フランスモミジ、バルカンメープル、中国産のトウカエデやペーパーバークメープルなど、そして、南半球での唯一の種 Acer laurinum などがあります。

イタヤカエデは『ミスジチョウ』が食草にします。
さて花ですが、花は新枝の先に黄色い花を複散房状につけます。雌雄同株ですが、雄花、雌花(※両性花)が1つの花序内(あるいは個体内)で雑居します。