色づく街 黄葉・紅葉

街が色づいてきたと思ったら、あっと言う間に落ち葉の季節になってしまいました。
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紅葉は黄色に色づく事を「黄葉」と呼びます。イチョウなどは黄葉しますね。ただ一般的には黄色になることも含めて紅葉と呼ぶことが多いようです。
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で…『イロハモミジ』は『イロハカエデ』とも呼ぶ事があります。一般にモミジと楓は区別をせずに呼んでいると思いますが、公園などにはモミジと楓の二つの表記がありますね。
先日、野沢温泉麻釜(おかま)の記事で説明したものと同じになりますが、ここでもう一度。
 
『もみじ』と『かえで(楓)』は同じようですが、盆栽関係ではこれを区別して使っています。
『イロハモミジ』のように葉の切れ込みが五つ以上のカエデ属だけをモミジと呼び、その他のカエデ属は、カエデと呼んでいます。
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元々「かえで」の語源は葉の形が蛙の手に似ていることに由来しています。万葉集では「もみじ」と共に「かえるで」の表現があります。植物分類上はカエデ科カエデ属に属する樹木で、この中に『イロハモミジ』『ヤマモミジ』『イタヤカエデ』『ハウチワカエデ』などがあります。
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しかし、『ヒトツバカエデ』『ミツデカエデ』『メグスリノキ』など蛙の手とは似ていない種類も含まれています。
『もみじ』は「紅葉(もみじ)する(黄葉する)で、」すなわち、カエデ科の樹木の他にツタ、ヤマウルシ、サクラ類、イチョウ、ブナなども含めて、秋に葉が赤や黄色に変色する現象に由来しています。
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通常は、カエデとモミジはならべて区別する言葉ではありません。童謡の「もみじ」の一節に「♪松をいろどる楓や蔦は山のふもとの裾模様~」は、このことを表現しています。
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因みに…『イロハモミジ』の花は、若葉の展開と合わせて、柄のある小さな花を下向きにつけます。
花は雄花と両性花が交じりますが、両性花の数は少なめです。
萼片は5枚で暗い紫色を帯びていて、花弁は黄緑色で萼片よりも短く、やはり5枚。
雄蘂は8本あります。近寄って観察した事ありますか~(笑)。
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葉は対生につき、手のひら状に5つから7つに深く裂けます。裂片には不規則な鋸歯があり、先が長く伸びます。
この裂片を「いろはにほ」と数えたというのが名の由来
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実の特徴花の後につく実は翼のある実で『翼果』と言います。
秋の紅葉・黄葉が美しいですよね。別名で『タカオカエデ』ともいます。『タカオカエデ』は、京都の高雄に多いことから。 俳句では「紅葉」が秋の季語。
学名はAcer palmatumで、属名の Acer は「裂ける」という意味のラテン語に由来しています。種小名の palmatum は「手のひら状の」という意味。

 
ようするに、モミジと楓は、植物分類上の言葉ではないのです。
一般にはたくさんの紅葉する木を代表してカエデ属が「もみじ」と呼ばれています。

赤い葉っぱと黄色い葉っぱのメカニズムですが…
まず、夏から秋にかけて日が短くなり気温も下がってくると、木は周りから十分なエネルギーを得ることができなくなりますね。そこで木は活動を抑え、冬越しの準備で休眠状態にはいるのです。
そうなると葉に栄養分を送る必要が無くなります。
つまり、木は「もう葉は必要ない」と判断するわけです。
そうすると、葉と枝のあいだに離層(りそう)という仕切りをつくるのです。その仕切りによって木と葉の間で養分が循環しなくなります。紅葉はここで起こります。
仕切りがつくられ、葉と木のあいだで養分が循環しなくなると、葉の成分が変わり葉の色に変化が生じます。これが紅葉のメカニズムです。
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では何故、赤くなる葉と黄色になる葉があるのか?

これは赤になる葉と黄色になる葉では、紅葉のメカニズムが違うからです。
植物の葉はふだん緑色に見えますが、それは葉の中に緑色と黄色の物質がありますが、普段は緑色の勢力が強いからです。
しかし…、活動を抑え、葉で養分をつくる必要がなくなると、この緑色の物質が分解されていきます。そして葉には黄色の物質だけが残り黄色に紅葉するというわけですね。
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葉が赤に紅葉するときは、緑色の物質がなくなり黄葉するまでは一緒です。しかし赤に紅葉する葉はさらに続きがあるのです。
葉に仕切りができたあと、葉には光合成で作られた糖分やデンプンが残っています。この葉に残ってしまった糖分が化学変化することにより、赤色の物質ができます。そして黄色の物質より赤色の勢力が強くなるため葉全体として赤色になったように見えるわけです。

そして最後は…葉が枯れ落ちていくのです。