タガソデソウ

素敵な名前がついていますよね。全草に細かな毛が生える多年草です。
山地や亜高山の草地や林の縁などに生えます。
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タガソデソウ 誰袖草
滅多に見かけない花ですよね。環境省のレッドデータリスト(2007)では「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されています。
この素敵な名前は、古今集の歌「色よりも香こそあはれと思ほゆれ 誰袖ふれし宿の梅ぞも」に因んだものです。
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草丈は30センチから50センチくらいです。
根茎は細長く、地中を横に這って広がり、茎は直立し、細くて疎らに枝分かれをします。
◇科名:ナデシコ科 ◇属名:ミミナグサ属(Cerastium=ギリシャ語の「cerastes=つの状の」から。細長くて曲がったさく果の形から ◇学名:Cerastium pauciflorum var. amurense(pauciflorum=少数花の/amurense=アムール地方の、という意味
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葉は細長い卵形で対生につきます。葉には柄はなく鋸歯もありません。茎の下部につく葉はへら形になります。
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開花時期は5月から7月で、茎の上部で枝分かれをして集散花序を出し、花径15ミリから20ミリくらいの白い花をつけます。花弁は5枚で、萼片も5枚。まぁこの花は残念ながら、1枚の花弁が殆ど落ちちゃってますけど…
雄蘂は10本、雌蘂の花柱は5つに裂けます。

花の後にできる実は円柱形のさく果で、萼が残ります。


※集散花序=最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝を出して花がつく