『アキチョウジ』と『セキヤノアキチョウジ』

東京近郊では、雑木林の中などでアチコチで見られます。箱根の関所の近くに咲いていたからこの名になったと思われています。

＝＝《関屋の秋丁字-セキヤノアキチョウジ》＝＝
『関屋』と言うのは､昔の『関守の家(関所を守る家)』のことです。つまり番小屋ですね。丁字形に花をつけるところからこの名があります。

本種は日本固有種で、本州の関東地方から中部地方にかけて分布し、山地に生えます。
【◇科名：紫蘇科　◇属名：ヤマハッカ属(Plectranthus＝プレクトランサス。ギリシャ語の｢plectron＝距｣＋｢anthos＝花｣が語源。距のある花の形から ◇学名：Plectranthus effusus(effusus＝非常にばらばらの)】

開花時期は９月から１０月で、いくつか枝分かれしながら花茎を出し、その途中に長い柄のある細長い筒状をした青紫色の花を総状につけます。
花冠の先は上下に開いた唇形で、上唇は３つに裂け、下唇のほうが少し長くて浅く２つに裂けます。

草丈は３０センチから９０センチくらいで、葉は細長い楕円形で対生。

関西に多い『秋丁字』は花弁の先が跳ね上がりません。コチラは主に、本州の岐阜県から九州にかけて分布してます。

＝＝《アキチョウジ秋丁字》＝＝
和名の由来は、秋に丁字形の花をつけることから。
草丈は４０センチから９０センチくらい。
葉は細めの卵形で対生につき、葉の先は鋭く尖っていて、葉には疎らに毛が生えます。

【◇科名：シソ科 ◇属名：ヤマハッカ属-イソドン属(Isodon＝ギリシャ語の「iso=等」＋「dons=歯」から。萼が同じ大きさの裂片になることから名づけられたもの) ◇学名：Isodon longitubus（syn. Plectranthus longitubus( longitubus＝長い管の)】
＊イソドン属はアジアやアフリカに１５０種くらいが分布します。
日本にも《山薄荷》などが分布してますね、属名の和名もヤマハッカ属。
開花時期は８月から１０月で、茎先や葉の脇から円錐花序を出し、細かな毛の生えた柄の先に小さな青紫色をした唇形の花を横向きにつけます。

花は細長く、花の中には４本の雄しべと１本の花柱(雌しべ)。萼は５つに鈍角に裂けます。
上の近縁種の《関屋の秋丁字》は花柄が長く、萼の裂片が尖っている事で見分けます。花の後にできる実は複数の子房からできた果実で、４つのブロックに分かれた分果。
♥花言葉は「秘めやかな思い」