ヒメコウゾ - ChameleonArms221’s diary

かつて、和紙の原料として使われた『コウゾ』。今は『ヒメコウゾ』と『カジノキ』の雑種をコウゾと呼び、和紙の原料になります。
しかし、実際の区別が難しいので…『ヒメコウゾ』を通称コウゾとして、紹介されることが多いようです。
樹形が『ヤマグワ』に似てるのですが、本種は樹高がせいぜい2～4mの低木です。
今は実が付いている時期ですね。
イメージ 1


姫楮	ヒメコウゾ

『ヒメコウゾ』と『カジノキ』の雑種が本来は『コウゾ』と呼ばれます。コウゾはご存じの通り昔から和紙の原料として知られていますね。
しかし､『ヒメコウゾ』と『コウゾ』は､実際の区別が難しいので､『ヒメコウゾ』を通称『コウゾ』として紹介されることが多いらしい。
本州の岩手県以南から､四国､九州､沖縄､朝鮮､中国､台湾まで分布する落葉低木です。
樹皮は暗褐色で、縦に縞模様がはいります。褐色の皮目が多いですね。
イメージ 2

葉は互生で、葉身はゆがんだ卵形になります。先は尾状鋭尖頭で、基部は左右不相称の心形をしています。表面は短毛が散生しざらつき、縁には鋸歯があります。

◇科名：クワ科　コウゾ属(Broussonetia＝ブラウソネッティア。[Pierre Marie Auguste Broussonet(1761～1807)]フランスの医師で自然科学者)にちなんだ名前　◇学名：Broussonetia kazinoki(kazinoki＝カジノキ)

※以前に別ブログの記事でアップした『カジノキ』の学名が≪Broussonetia papyrifera(papyrifera＝紙を持った)≫です。
古い時代には『カジノキ』と『ヒメコウゾ』との区別が余り認識されていなくて、上記したとおり現在のコウゾはヒメコウゾとカジノキの雑種といわれています。
江戸時代に日本を訪れたあの『日本植物誌(フロラ・ヤポニカ)』のフィリップ・フランツ・フォン・シーボルト(←シーボルトについて→記事②　記事③)もこの両者を混同してヨーロッパに報告したために、今日の『ヒメコウゾ(姫楮)』の学名が「Broussonetia kazinoki」となってしまっています。
イメージ 3

集合果は1cmほどの球形。横に長い【桑の実】を丸くしたような姿ですね。全体としては液果のようですが、個々の果実は核果で核があります。6月頃に赤く熟します。甘いのですが…花柱や核が残るためざら付く感じです。
でも、見つけるとつい…三つ四つ摘まんじゃうンだよね～(笑)
因みに…『ヒメコウゾ』も『コウゾ』も共に似てますが、それぞれ次のような特徴があります。
[ヒメコウゾ]は、直径１・５センチ余りの、丸い実(集合果)をつけます。色は明るい赤色(赤橙色)で、透明感が少しあります。本来、毛はありません。この実をつまもうとすると、表面の皮が薄いので、すぐに中の液が浸出してきますので、摘まむ時はなるべく実の上部の所を摘まんで、一度ひねるようにして丁寧に(笑)。液が指に付くと粘て、糸を引きます。食べると、甘味が比較的濃くてけっこうおいしい方だと思います。でも、酸味がほとんどないため、印象に欠ける感じです。
[コウゾ]の場合は、実に細かい毛があって、今までに一度だけ食したことがありますが、食べると下にこの毛がからんで、不快さがありますよ。
但し…写真のヒメコウゾにも、実に少しまばらに毛がありますよね。で、こりゃどっちかな？と、見た目に少し迷ったのですが、全体の様子から、これは多分…「コウゾ」ではなく「ヒメコウゾ」だろう...と判断したのですが…。違うかな？
イメージ 4