生命保険…の日

1月も最終日になりました。年が明けて、早くも一ヶ月が経った訳です。
今日、1月31日は 生命保険 の日です。
1881(明治14)年7月に日本初の生命保険会社が設立されたのですが、翌1882(明治15)年の今日1月31日、受取人第一号が現れました。
受取人は…この年の1月20日に心臓病で急死した警部長で、遺族に支払われた保険金は1,000円、当人が払った保険料はわずか30円だったそうです。
この日に日本初の生命保険金支払いが行われたことにちなみ、生命保険のトップセールスマンの集まりであるMDRT日本会が制定したものです。
これとは別に、11月1日が生命保険協会が定めた生命保険の日となっております。

まぁ…支払われた保険金が1000円、と言われてもピンときませんが…。それでは明治時代の1円が現在では2万円(*当時の「1銭」が現在の「200円」)と、仮に置き換えたとして、当時の品物はいくらぐらいだったのか?と言うと…。
例えば、東京銀座・木村屋総本店の木村屋安兵衛が発明したあんパンですが(笑)、これは明治38年に、1個1銭だったそうです。今の時代に換算すると約200円。
うどんそばが、明治37年には2銭だったので、今でいうと約400円。
カレーライス明治35年頃は、当時としてはかなり、オサレ~な食べ物(笑)で5~7銭だったそうで、1000円以上になります。
また仕事が終わった後、お風呂上がりについつい飲んでしまうビールの大瓶1本(当時に缶ビールはありませんからね)が明治34年頃では19銭だったと言う事ですが、これがナント…現代に換算すると約3800円。これはお米1升分よりも高く、これではとても気軽にグイッと一杯なんて事にはならない、庶民には手が出ないお値段でした~。
現代では子供だって乗っている自転車。これが明治32年アメリカ製の自転車ですが一台が200~250円で売られていたそうです。当時の庶民のお給料で約1年分相当。現在のお金でなんと400万円相当ですから、現代の高級自動車クラスのお値段だったわけですな…。
当然ですが…自転車がこのお値段ですから…その頃の自動車はさらに高く、1台が5000円前後と言う、夢のような金額。当たり前ですが、大富豪しか乗れませんでした。

生命保険契約の形態としては、1400年代のイタリアで登場したのが始まりとされています。当初は奴隷運搬の海上保険の形態として登場しました。17世紀イギリスでは、セントポール寺院の牧師たちが葬式代をまかなうために、お互いにいくらかずつ出し合って積み立てていったといわれており、香典前払保険・香典前払組合という形式だったようです。ただし、これは年齢に関係なく同じ金額を払い込んでいたため、高齢者は比較的少ない保険料で保険金を受取ることになり、若い者の不興を買い、10年ほどでなくなったとされています。
で…この問題を解決するきっかけを作ったのが、有名な天文学者エドモンド・ハリーです。そう、あの「ハレー彗星」の発見者です。 彼は実際に調査して人間の寿命を統計化した生命表を作成しました。それは年齢ごとに生存している人死亡した人の割合をまとめた統計データでした。
そして、この制度を日本に紹介したのが…福澤諭吉で1868年のことです。
その後1880年岩倉使節団の随員だった若山儀一らによる『日東保生会社』と言う日本初の生命保険会社が開業されたのですが、この会社は倒産してしまいます。1881年(明治14年)の7月に、現存している最古の保険会社『有限明治生命保険会社』が開業されました。ですが…、当初は「人の生死によって金儲けをするのか」という誤解に基づく批判も多く、その普及には時間がかかったようです。