オオヒナノウスツボ

花冠はふくらんだ壺形で、壷形の臼の中から雄蘂が出ている姿が雛人形に見えることが名前の由来。
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オオヒナノウスツボ大雛の臼壺
壺形の小さな花を、臼や壺に見立てたものです。

『ヒナノウスツボ』と言う似た花があり、そのヒナノウスツボより大きいという意味で『オオヒナノウスツボ』らしいですが、花の大きさはいずれも6~8mmです。薬草の『ゲンジン』も仲間です。茎の上部に円錐花序と呼ばれる、下のほうになるほど枝分かれする回数が多く、全体をみると円錐形になる花序を出して、暗い赤褐色をした小さな花をたくさんつけます。
暗紫色の小さな花は目につきにくくて、ちょっと見には、花というよりも、実がついたように見えますね。花期は8月~9月です。花は茎の上部に円錐状につき暗紫色で、長さは8mm~9mm程度です。

◇科名:ゴマノハグサ科 ◇属名:ゴマノハグサ属(Scrophularia=ラテン語の「scrophula(頸部リンパ節結核)」から。この属の1種の塊根がこの病気に効くことから名づけられたもの ◇学名:Scrophularia kakudensis(kakudensis=角田山(新潟県)に産する)
北海道から九州にかけて分布し、山地の林の中などに生え、草丈は伸びれば1メートル以上になります。
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茎の断面は四角形で直立し、毛が生えていて、葉は細長い卵形で、対生につきます。
葉の質はやや硬くて厚く、縁には細かい鋸歯があります。
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花冠は壷形で、先は上下2唇に裂けて、下唇の真ん中の裂片は反り返ります。
萼は鐘形で5裂し、下唇の中央裂片はそり返ります。雄蘂は壺の中に4本あって、そのうちの2本が長くなります。雄蘂は下唇側につき、横に広い楕円形の葯のふちが裂けて花粉を出します。
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その間から花柱(雌蘂)が突き出ます。小花柄が太く腺毛があります。
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花の後にできる実はさく果で、熟すると下部が裂け種子が散布される果実。