婚活中?

横浜などでは既に『ツクツクボウシ』がかなり鳴き出しておりました。ツクツクボウシが鳴き出すと夏も終わりに近づいていると言う事になるのですが…。
セミ(蝉)は鳴き声や鳴く時間帯は種類によって異なります。例えば、以前は関東では見られなかったのに、近年関東地方でも繁殖しだした『クマゼミ』の場合は…、午前中です。
アブラゼミ』や『ツクツクボウシ』は午後です。『ヒグラシ』は朝夕で、『ニイニイゼミ』だと早朝から夕暮れまで、などと鳴く時間が大別されています。
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さて…「せみ」は何故蝉という名前がついてるのか?判りますか~?
漢字の「蝉」の音読みは、漢音で「セン」となっています。実はこの「蝉」という漢字は、『クマゼミ』の鳴き声である「シャンシャンシャン(地方によってはシャワシャワシャワかもしれませんが…)」に由来しているのです。
また「蝉」という文字ですが、これは「虫」+音符「單」の会意形声で、蝉はお腹に有る特別な膜(背板の内側にある膜)震わせて鳴くのはご存じだと思いますが、これはまさに「單」は震えるという意味があるのです。
つまり…震えて鳴く虫ということで「蝉」と言う漢字ができたのですね。
そして、クマゼミの鳴き声「シャンシャンシャン」から、「センセンセン」という擬音になり、「セン」という漢音になるのです。因みに…現代中国音では「チャン」だと言うことです。
とにかく…その「センセン」となく「虫(ムシ)」とうことで、「セン」と「ムシ」が短縮され「セム」→「セミ」になったというわけ。
また、蝉で一番数が多いであろう『アブラゼミ』ですが…、名前の由来は『アブラゼミ』の鳴き声「ジジジーというけたたましいあの大音量の鳴き声が、鍋で油揚げをする時の音に聞こえるのでアブラゼミ』になったということです。
セミは限られた期間に大量発生することで、交尾の成功率を高め、外敵から狙われる確率を下げているンですね。しかし…地中にいるセミは当然ですが、仲間に「これから地上に出るよ~」などと合図を出せませんよね。じゃあ何故、ほぼ同時期に出てくるのか?これは、時期を合わせて成虫になるには遺伝子に組み込まれた体内時計を頼ることになるわけです。
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日本のセミの発生周期は昔は7年周期と言われていましたが、実際はアブラゼミ、ミンミンゼミの幼虫期間は2~5年で、関東あたりでは普通3~4年、卵期1年。
ツクツクボウシは幼虫期間1~2年(1年がやや多い)、卵期1年。
クマゼミは幼虫期間4~5年、卵期1年。ニイニイゼミは3~5年で4年が多いようです。卵期45日前後と言うことです。また、成虫の寿命は1~2週間ではなく、セミの成虫の寿命はおよそ1ヶ月です。
これは、羽化直後から飼育して1ヶ月ぐらい生きているのが普通と言う研究結果からわかっていて、最長飼育記録は『リュウキュウアブラゼミ』の70日。
また『セミヤドリガ』という蛾がいるのですが、この幼虫がセミの成虫に寄生することが知られています。もっとも長くセミヤドリガの幼虫が寄生していた日数は研究の結果、最長でも19日と言うことから、セミヤドリガの幼虫期間は20日弱と言う事になります。当然…セミヤドリガの幼虫期間がセミの寿命より長いわけがないのですから、セミの寿命が一週間は論外で、また二週間と言う説もありえないことになります。セミの成虫が1ヶ月ぐらい生きていないとセミヤドリガも繁殖できないですからね。
さてさて…何故か不思議と違う種の蝉同士が仲良く止まっている木を見かけます。この蝉たちは婚活をしないのでしょうか?(笑)。暑いから休んでるだけ?
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「なぁなぁ…婚活せえへんの?」「そっちもさっきからゼンゼン動いてへんやないの」「暑いからね~、それにみんなが一斉に鳴いてると五月蠅くてワカラン」イメージ 8
 
「そうそう、焦ることないて…。もっと地上生活を楽しんでからでええやん」「キミ…余裕あるなぁ」
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 「暑い内は涼しいトコにおった方がエエて…」「焦ってツマランのを伴侶に選ぶのはイヤやからね」
 
 
ところで…ニュースなどでご存じだと思いますが、アメリカのセミは13年周期と17年周期があります。
大量発生などで取り上げられていますね。