オヘビイチゴ

一見するとヘビイチゴの花に似ていますが、ヘビイチゴのような赤い果実はつくことはありません。
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ヘビイチゴと似ていて、大きいので『オ(雄)ヘビイチゴ』の名があります。
オヘビイチゴ 雄蛇苺
初夏の頃、野原や田の畦等の湿った所に姿を現します。同じバラ科の花ですが、【ヘビイチゴ属】ではなく【キジムシロ属】の花です。
◇科名:バラ科 ◇属名:キジムシロ属(Potentilla=「potens=強力」の縮小形で,最初「P.anserina」の強い薬効に対して付けられた名 ◇学名:Potentilla kleiniana(Kleinianus=採集したクラインの)
花は茎の上部に集散状に付くので、慣れればヘビイチゴと間違える事は無いと思います。
茎は地表を這い、上部は起き上がります。しばしば群生することもあります。全体に軟毛があります。
ヘビイチゴとそっくりのように見えすが、『ヘビイチゴ』が小葉は三枚ですが、この花は五枚あるのでよく見れば区別ができますね。
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根生葉は長い柄がある掌状複葉で小葉が五枚つきますが、上部のものでは1~3枚になります。
小葉は狭い長楕円形で長さ2~5cm、表面は無毛で、裏面の脈上と縁には毛が散生します。
花は直径5~8mmの黄色の5弁花。茎の上部に多数集散状につきます。
赤いイチゴのような果実は出来ませんが(笑)、ちゃんと果実は出来ます。褐色をしたそう果で、花床は膨らみません。
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全体的には総状の花序に見えるのですが、枝分かれした枝の先端に1つの花がついています。花柄に見えるものは茎です。萼片の下側に付く副萼片は小さくてあまり目立ちません。
※キジムシロ属にはこの『オヘビイチゴ』の他にも、『キジムシロ』とか『ミツバツチグリ』がありますね。これらが同時期に山野に咲くので、どれもよく似て区別が難しいです。まぁ、名前の由来は『キジムシロ』は全体の形を雉(きじ)が座る筵(むしろ)に見立てて名付けられたものですし、『ミツバツチグリ』はツチグリに似て三つ葉である事で、ミツバツチグリの名があるのですが。確かに花だけ見ていても区別はつかないです。見分け方はやはり、葉っぱと言う事になりますね。小葉の枚数を数えるとこの『オヘビイチゴ』が五枚であるのに対して、『ミツバツチグリ』はその名の通り三枚で、『キジムシロ』は五枚から九枚の奇数羽状複葉なので、葉をよく見れば区別が付きます。また、いずれも茎の上部に花が集散状に付くので、『ヘビイチゴ』とは簡単に区別は可能ですね。