ウツボグサとヤセウツボ

紫蘇科の植物は変わったものが多いのですが、コレもその一つですよね。
名前も変わっています。

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==『靫草』ウツボグサ==
日当たりのいい草地に生えます。
3~8cmの花穂に、紫蘇科の特徴?とも言える紫色の唇形花を密集して咲かせます。
名前の由来は、毛ばだった花穂のようすが、武士が矢を入れて持ち歩いた用具弓矢を入れる靫(うつぼ)に似ていることから。
『靫』は長い竹かごで作り、普通はその外側を虎や熊、猿などの毛皮や鳥の羽で覆ったものです。
東アジア温帯域に分布しています。

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茎は高さが10~30cmで、断面が四角形をしています。花期は8月頃くらいまで。
【◇科名:紫蘇科 ◇属名:ウツボグサ属(Prunella=ドイツ語だが意味不明。語源には議論の多い語で、以前には屡々(たびたび)Brunellaと綴られることも多いようです) ◇学名:Prunellavulgaris var. lilacina(vulgaris=普通の、通常の/lilacina=藤色の、ライラック色の) 】

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日本薬局方にある生薬で、これを利尿などの薬用にするらしい。主に中国、韓国で生産され利尿の他には、消炎作用もあります。
◆別名に『夏枯草(かこそう)』と付いてます。
花のあと、葉は緑色なのに花穂だけが茶色く枯れカサカサになることから。

で、、、、、
コレは同じく名前に『靫』と付いていますが…

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==『痩靫』ヤセウツボ==
茎の上部にまばらに花をつけます。高さは15~40cm。
これ、ウツボグサの枯れたヤツじゃないです。間違えないとは思いますが…
この植物は、ヨーロッパ原産の寄生植物です。シロツメクサ(他にキク科やセリ科)などにに寄生して、葉緑素を欠きます。
葉はまばらに互生してついて茶褐色で披針形をしています。
全体に腺毛が密生します。

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花弁は唇形花冠で、淡黄褐色で紫色の筋があり、長さは1.2~1.5cmで、縁は不規則に切れ込んでいます。
【◇科名:ハマウツボ科 ◇属名:ハマウツボ属(Orobanche=orobos=マメの一種+anchein=絞め殺す)この属の植物にマメに寄生するものがあるため) ◇学名:Orobanche minor(minor=より小さい)】

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萼は左右2片に分かれています。
雄しべは4個で雌しべは1個で頭は赤褐色で膨らんで2つに分かれます。

*寄生植物(=parasitic plant)とは、他の植物に寄生し栄養分を吸収して生育する植物の総称。
寄生根と呼ばれる特殊化した根で相手植物(寄主または宿主)の組織と結合して栄養分を吸収します。

オマケ…
ウツボグサに花は似てますが…

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==《ヤマタツナミソウ》==