西洋苧環

源九郎義経と離ればなれになった静御前が、文治2年(1186年)3月に母の磯禅師とともに鎌倉に送られました。そして同年の4月8日に、静は頼朝に鶴岡八幡宮社前で白拍子の舞を命じられます。
その時に静は、生き別れた義経を慕い切々と歌いました。
吉野山、峰の白雪踏み分けて、入りにし人の跡ぞ恋しき しずやしず、しずの苧環(おだまき)繰り返し、昔も今に、なすよしもがな』
意>>吉野山で分かれたあの方は、雪を踏み分け山深くへと行ってしまった。その足跡さえも、今は恋しい。布を織るときに苧環がまわるように、くるくる回って「静よ、静よ」と呼んでいた昔に戻れたら、どんなによいことでしょう。静御前
ここで名前の出てくる『苧環』の名前が付いた花がこちらです。

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==《西洋苧環/セイヨウオダマキ》==
まぁ、コレは名前のとおり在来種とは違うのですがね。散策路の歩道脇の植え込みにありましたので、誰方かが植えられたのでしょう。

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別名は《アクイレギア・ブルガリス》苧環というのは紡いだ麻糸を中空の玉に巻いたもののことで、花の形をたとえたもの。
【◇科名:キンポウゲ科 ◇属名:オダマキ属*.アクイレギア属(Aquilegia=ラテン語の「aquila=鷲」から。曲がった距がワシの距に似ていることから名づけられたもの ◇学名:Aquilegia vulgaris(vulgaris=普通の)】

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アクイレギア属は世界に70種くらいが分布する多年草で、多くの園芸品種が作出されています。日本にも苧環などがあり、属名の和名がオダマキ属。

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本種の原産地は北ヨーロッパからシベリアにかけてで、林の中に生え、草丈は60センチから90センチくらい。根際から生える葉は2回3出複葉で、枝分かれした先にそれぞれ三つ葉をつけて1枚の葉になります。
開花時期は5月から6月で、花の色は青紫色や紫色が多いですね。古くから栽培され、園芸品種の数も多く、園芸品種には、白、黄色、桃色、赤などのものがあります。

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距と呼ばれる、花冠のつけ根が後ろに飛び出たものは短く、鉤爪状に曲がるのが特徴です。
花の後に袋果が出来ます。
♪5月20日の誕生花で花言葉は「寓者」。