イワガラミ

ブナ帯に多く林縁などに生え、気根を出して岩や木に這いのぼります。
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葉は広卵形で縁には粗い鋸歯があり、対生します。
5月から7月ごろ、枝先の散房花序に白い花を咲かせます。
紫陽花と見比べると、見た目には花とは思えない形。葉の鋸歯が大きく鋭いです。
葉を揉むと「きゅうり」のような香りがするらしい。
新芽を摘み取って、和え物や味噌汁の実、お浸しなどにするそうです。
コレは野生ではないので…試すことは出来ません(笑)。
数品種あるようです。『ムーンライト:Moonlight』と言う葉に白い斑が入る品種『ロゼウム:Roseum』は、ガク片がピンクから咲進むと赤へ変わる品種。
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そう言えば…かなり昔(数年前?)ですが…ニュースでイタリアンレストランが紫陽花の葉を盛りつけ皿として出して、その葉を食べたお客さんが食中毒を起こすという事件があったと記憶しています。オイラの知識からすれば…レストランとしてはあり得えないばかげた行為ですが,,,ね。
紫陽花の葉には食べると、胃酸の消化酵素と融合し、有毒物質シアンになるのです。下記で説明していますが、紫陽花はアジサイ属ですが、イワガラミはイワガラミ属なので食用にしても大丈夫。コレも下記に出てきますが、『ツルアジサイ』を間違って食べないように…。
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◇科名:ユキノシタ科(Schizophragma=schizo(切れる,裂ける)+phragma(隔壁,壁)で、果実が熟すと壁の肋と肋との間で割れて,裂けるため ◇属名:イワガラミ属(hydrangeoides=hydro(水)+angeion(容器)さく果の形から来た名 ◇学名:Schizophragma hydrangeoides Sieb. et Zucc.
*学名の後ろに付いている「Sieb. et Zucc.」ですが、「et」は以前説明したとおり、命名者が二人の場合です。「Sieb.」というのはあの有名な「シーボルト」です。幾つもこの書庫でシーボルトが名付け親の植物は紹介しています。ア、芭蕉もそうですね~。他にも『真弓』とか…。
以前、彼については紫陽花 其の一で説明しましたが改めて…。
☆フィリップ・フランツ・バルタザール・フォン・シーボルト(Philipp Franz Balthasar von Siebold,1796年2月17日~1866年10月18日)は、ドイツの医師であり博物学者です。名前は高地ドイツ語(標準ドイツ語)読みではジーボルト。因みに従兄弟の子供に当たるアガーテ・フォン・ジーボルト(1835-1909)は、ブラームスの婚約者です。もう一人のZuccは植物学者の『ヨーゼフ・ゲアハルト・(フォン・)ツッカリーニ(Joseph Gerhard (von) Zuccarini、1797年8月10日~1848年2月18日)』ドイツの植物学者です。
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ハート型の白い花びらにみえる装飾花(萼片)が幹から気根をだし岩などに取り付きます。
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良く似た花で『ツルアジサイ』があります。花も形もそっくりですが、ツルアジサイは萼片が4枚だけどコレは一枚なので容易に見分けられます。シーボルトは長崎を中心に研究をしていますが、西日本の植物の学名にはSiebold とZuccariniの連名による命名が、とても多くみられます。『トサミズキCorylopsis spicata Sieb.et Zucc.』や、ケシ科の『ツクシキケマン/筑紫黄華鬘(Corydalis heterocarpa Sieb. et Zucc.)』、記事にした『キブシ Stachyurus praecox Sieb.et Zucc.』『オドリコソウLamium alubum L. var. barbatum (Sieb. et Zucc.) Franch. et Sav.』などもそうです。
『ツクシシャクナゲにRhododendron metternichii Sieb.et Zucc.』と言う花、はオ-ストリアのメッテルニヒ宰相に献じた命名。因みに日本名をそのまま種名に用いた植物としては『ウメPrunus mume Sieb. et Zucc.』『ハマボウ Hibiscus hamabo Sieb.et Zucc.』があります。