イワガラミ

花だけ見れば…
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紫陽花じゃあないんですよ。花は ガクアジサイに似ていますが、先日紹介した『甘茶』でもない。
イワガラミ 岩絡み
本州・四国・九州、朝鮮に分布する木本性の落葉ツル植物です。
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ホラね…蔓があるでしょ。紫陽花と同じ「ユキノシタ科」なので見た目は似ていますが…
◇科名:ユキノシタ科 ◇属名:イワガラミ属(Schizophragma(「schizo=切れる、裂ける+phragma=隔壁、壁」。果実が熟すと壁の肋と肋との間で割れて、裂けるため ◇学名:Schizophragma hydrangeoides(hydrangeoides=アジサイ属(Hydrangea)に似た)
主にブナ林などの夏緑広葉樹林の樹幹や岩などに名前の通り這い登って生育します。
茎は多数の気根を出して樹木などに付着して特に渓畔林や倒木によって形成されたギャップなどでは、かなりの大きさに生長します。
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葉は対生し、縁には荒いやや不規則な鋸歯があります。
花は5月から7月にかけて枝先に花序を形成します。中心部にたくさんあるのが小型の両性花。周辺にあるのは1枚の白色の萼からなる装飾花です。
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実は生態的にも形態的にもよく似た種に『ツルアジサイ(ゴトウヅル)』があります。装飾花が違うので、花が咲いていれば間違うことはないはず…なのですが、しかし…高木に登ったものになると、葉の形もよく似ているので、双眼鏡がなければ判別しにくいでしょうね。
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イワガラミの方が葉の鋸歯が粗いので、特徴が判る典型的な葉であれば、区別が出来るでしょうが、林床の地面を這っていたり岩に付着しているものでは難しいでしょう。因みに『ツルアジサイ』は装飾花の萼片が3~4枚です。この『イワガラミ』は1枚です。
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一応…ツルアジサイの方が標高の高いところに生えますが…ね。
因みに…この『イワガラミ』も『ツルアジサイ』もともに、4~6月頃キュウリの香りがする新芽を摘み取り、さっと茹でて和え物や味噌汁の実、お浸しなどにできます。