ウラシマソウとムサシアブミ

去年まで見かけた場所をアチコチ廻っても見つけられず、やっと昨日見つけました。以前紹介した『ムサシアブミ(武蔵鐙)』や『ザゼンソウ』に似ています。
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舷部は広卵形で先が尖っていますが、開花の進展とともに垂れ下がってきます。
その後、肉穂花序の先端の付属体は釣り糸状に長く伸長します。
これが和名の由来で、浦島太郎が持っている釣り竿の釣り糸に見立てたものとされています。
ウラシマソウ 浦島草
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◇科名:里芋科 ◇属名:テンナンショウ属(Arisaema=アリサエマ。ギリシャ語の「血のような斑点が葉にある植物」という表現のことばに由来 ◇学名:Arisaema thunbergii subsp. urashima(urashima=浦島*日本名)
マムシグサと同じサトイモ科テンナンショウ属なので、肉穂花序を包む「仏炎苞」はよく似ているのですが、肉穂花序に長い紐状の付属物があります(つまり釣り糸に見える部分)。
地下に偏球形の球茎を形成して、周囲に子球をつけることが多くあります。
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肉穂花序は葉の下につきます。大型の仏炎苞に包まれています。仏炎苞は濃紫色のものや、緑紫色のもの、緑色などがあり決まっているわけではありません。内面には白条があります。肉穂花序を形成する多数の花には花弁はありません。雄花は雄蘂のみ、雌花は雌蕊のみで形成されています。
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このヤツデのように見える葉は、切れ込で、何枚もあるように見えるのですが、本当は一枚の葉です。
成株になるとこのように11~17枚の小葉になります。これを『鳥足状複葉』といいます。
実生のような小型個体では3枚~5枚の小葉をつけます。小葉は先が鋭く尖る狭卵形か長楕円形で通常暗緑色なのですが、まれに遺伝的な斑入りや、銀葉(Silver leaf)の個体があります。
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秋に赤い実をつけますが有毒です。別名は『蛇草(へびくさ)』
葉の存在する期間は春から秋にかけてですが、条件によっては夏の早い時期に落葉してしまうことがあります。

因みに『武蔵鐙』も顔を出していましたよ。
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ムサシアブミ 武蔵鐙
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ムサシアブミ(武蔵鐙とザゼンソウ) の記事
もう一つの『武蔵鐙』の記事。
仏炎苞
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葉っぱ
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