ヒキオコシ

名前の由来は、その昔、弘法大師が山道を歩いていると、一人の行者が倒れていました。
それを見た弘法大師はすぐに近くにある草をしぼり、その汁を、倒れている行者の口に含ませたところ、その行者はたちどころに元気をとりもどして旅を続けることができました。
それから、病人を「ひき起こす」という意味で、ヒキオコシと呼ばれたといいます。
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この故事によって、ヒキオコシや延命草(えんめいそう)という名前がついたとされています。
ヒキオコシ 引き起こし
ヒキオコシは、丈夫な地下茎があって、茎は四角で真っ直ぐのびています。下向きに細い毛がびっしり生えています。
葉は対生し、形は広卵形、先は尖って、長さ5~15センチ、巾4~8センチ程の大きさです。
葉縁は鋸歯状、葉脈の上には短い毛があります。葉をかむと、ものすごく苦い味がします。
9~10月ころに、花は枝先に葉のわきからのびた軸に長くて、まばらな長楕円状の円錐花序をつくります。
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花の色は紫色、花冠は小さく長さ5~7ミリの唇形をしています。上唇は4裂し、反り返って、内側に紫色の斑点があります。
雄しべ4本のうち2本は少し長く花冠の外に飛び出しています。がくは5裂して、びっしりと細い毛があり、色は灰白色をしています。
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◇科名:シソ科 ◇属名:ヤマハッカ属(Isodon=「iso=等」+「dons=歯」。萼が同大の裂片に裂けるから) ◇学名:◇学名:Isodon umbrosus(Plectranthus japonicus)
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生薬の『延命草』は、健胃薬として知られていますが、ヒキオコシは、家庭薬にも多く配合されていて、消化不良、食欲不振、腹痛などに用いられています。
※ヒキオコシの科学成分は研究の結果、数多くのジテルペンと呼ばれる一群の化合物が含まれていることが明らかにされています。 また、抗がん作用のある成分も含まれていることがわかっています。
因みに→以前の記事ヒキオコシ
それから→カメバヒキオコシ(記事)