キツネノカミソリとセンニンソウ

いよいよ夏から初秋にかけての花が咲き始めてきました。花で少しずつ秋に変わってゆく季節を感じる時期になりますね。しかし、まだまだ真夏の暑い時期。この時期、藪の中などにオレンジ色の花を咲かせるのがこの花です。『ヒガンバナ』の仲間です。
イメージ 4
キツネノカミソリ 狐の剃刀
この花が咲き出すと、順にヒガンバナ科の花が顔を出し始めます。
イメージ 8
この花と同じ頃に咲くのが『夏水仙』でピンク色の綺麗な花です。

コレが『ナツズイセン

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/C/ChameleonArms221/20190802/20190802114817.jpg
彼岸花は名前のように秋分の日の彼岸の頃に開花しますね。『キツネノカミソリ』に対抗してか(笑)『タヌキノカミソリ』と言う花もあります。

コレが『タヌキノカミソリ』です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/C/ChameleonArms221/20190802/20190802115048.jpg
花的には『タヌキノカミソリ』の方がオイラは好きですね。
イメージ 5
雌雄同花で花弁は橙色が 6枚。
キツネノカミソリの名前は、芽ぶいた直後の葉の形から。
イメージ 6
◇科名:彼岸花科 ◇属名:ヒガンバナ属(Lycoris=リコリスギリシャ神話の海の女神『Lycoris』。花がとても美しいことから ◇学名:Lycoris sanguinea(sanguinea=血紅色の)
イメージ 7
花茎を 30~50cm ほど伸ばし、先端で枝分かれした先にいくつかの花を咲かせます。
早春のまだ他の草が生えていないうちに、狭長の葉を球根から直接出して球根を太らせ、多くの草が生い茂る夏頃には一旦葉を落とします。これは『ナツズイセン』と同じですね。
ヒガンバナ』と同じく有毒植物です。
黄色の花を咲かせるのは『鍾馗水仙(ショウキズイセン)』で、普通のヒガンバナショウキズイセンの掛け合わせが『シロバナヒガンバナ』です。

この花も幾つかに枝分かれして、オレンジ色の花を咲かせ、遠目には似ていますが違いますよ。コチラは明るい所に咲いています。花もキツネノカミソリとは違い、大きく花弁を開いて咲きます。
ヒオウギ 檜扇
イメージ 9
名前の由来は、葉の並び方が『檜扇』という扇子みたいなものに似ているところから。
イメージ 12
檜扇は檜の薄板を要で留め、板の上部を紐で補強し折りたたみ可能にした扇です。宮中で用いられた木製の扇のことで、女性の用いるものは特に袙扇(あこめおうぎ)とも呼びます。
イメージ 10
説明は『檜扇』(←以前の記事)
別名は、実が黒であるところから『烏扇(からすおうぎ))』
イメージ 11
花後に出来る実(み)は黒色でこれを『射干玉(ぬばたま)』または『烏羽玉(うばたま)』といいます。
この射干玉の射干の音読みから名前がつけられたのが『しゃが(著莪)』
イメージ 13

この花も咲き始めました。何処にでも見かける野草ですが、クレマチスの仲間です。園芸用のクレマチスとは違い、日本全土の山地、土手、道端に自生していますね。
センニンソウ 仙人草
イメージ 2
茎の長さは3~5メートルくらいになります。
葉は3枚から7枚の小葉からなる羽状複葉で、向かい合って生える(対生)。
小葉はやや艶があって厚みがある卵形で,先は尖り、全縁で鋸歯はありません。
花がソックリの『ボタンヅル』の場合は、葉の形が牡丹の葉に似ていて粗い鋸歯があります。

8~9月ころに葉脈から円柱花序を出して多数の白色の花をつけます。
きれいな真っ白な4弁花に見えますが…白色の4枚の花弁に見えるのはがく片です。花弁はありません。雄蘂と子房(しぼう)は多くあります。志望や脂肪は絞らねばなりませんナ…。あ…ゼンゼン関係なかったか(爆)。
イメージ 3
いい香りがします。この仙人草という名前は、実の先端につく白い羽毛状のものを仙人のひげに見立てたことからついています。
◇科名:金鳳花科 ◇属名:センニンソウ属(Clematis=クレマチスギリシャ語の「clema=巻き上げ、つる」が語源 ◇学名:Clematis terniflora(terni=三つの flora=花の)
茎は円柱状で肋(ろく)があり、長く伸びて枝分かれします。
葉は長柄があって、奇数羽状複葉で小葉は3~7枚。他の物に小葉柄と葉柄で巻きついて生長します。
イメージ 1
果実は種子状で平たく倒卵形でミカン色をしています。花の後の雌しべの花柱(かちゅう)が伸びて果実に残り、長さ3センチくらいになって仙人の髭のような羽毛状になります。この羽毛で風で飛散して繁殖します。
別名が有毒植物のために馬が食べないところから『馬食わず』。
『牛の歯こぼれ』と言う別名もあって、牧草と一緒に食べてしまうと、毒によって歯が抜けてしまうということから。キンポウゲ科の植物は毒性が多いですね。
有毒成分の『ポロトアネモニン』の汁液が皮膚に触れると引赤、発疱(はっぽう)して水腫(すいしゅ)が生じます。中毒症状で胃腸炎症などを起こします。民間療法ではへんとう炎に生(なま)の葉1~2枚をよくもんで、手首の内側に軽く貼り付け、一昼夜くらいそのままにすると、手首の内側に軽い痛みを感じるようになって、へんとう炎の痛みもとれてくるらしいですが、絶対に素人が療法してはダメです。因みに…センニンソウの生薬名は『和威霊仙』といいます。利尿や鎮痛などに用いる漢方の『威霊仙』と混同されることがありますが、『威霊仙』は同属や近縁植物のサキシマボタンヅルや、シナボタンヅル、イトボタンヅルなどの根を乾燥させたもののこと。