ヒメドコロ

多摩ニュータウンにある長池公園の遊歩道脇の鉄柵に絡まって咲いていました。
まぁ、花も目立たないし所謂、雑草扱いでしょうね。本州から九州に分布しています。
里山から低山の林縁などに生え、草や木に絡まって伸びる蔓性多年草です。
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多分…『ヒメドコロ』だと思います。
ヒメドコロ 姫野老
ヤマノイモ科のうちトコロ類は『タチドコロ』『カエデドコロ』『モミジドコロ(キクバドコロ)』『オニドコロ』『ヒメドコロ』があって、花も果実もよく似ているンですよね。翼のある果実に花がついているのは『オニドコロ』です。
オニドコロに比べ葉身が細く華奢で、オニドコロの雄花序が立ち上がるのに対して、本種は下垂するところから、『ヒメドコロ』とつけられたと思われます。

※因みに○○ドコロ(野老)は、根茎に由来していて、図鑑等では「根茎は太くひげ根を多数出し、これを老人のひげに見たて「野老」の字をあてる」となっています。

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葉は互生につきます。基部は心形で、耳状に張りだす場合もあるのですが、画像にあるような形態も普通。先端は尾状に尖ります。
『ヒメドコロ』は、マノイモ属の他の種に比べるとやや耐陰性が高く、向陽の林縁以外にも低い潅木林や草原に半ば埋もれるようにしても、生育し種子をつけます。
あまり旺盛に繁茂することなく、全体の姿、花序、花などに風情がありますね。
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別名で『エドドコロ江戸野老』とも呼ばれます。
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◇科名:ヤマノイモ科 ◇属名:ヤマノイモ属(Dioscorea=1世紀のギリシャの自然科学者A.D.Dioscorides に捧げられた名) ◇学名:Dioscorea tenuipes Franch. et Sav.(tenuipes=細い穂の)
この属の他の種は雄花花序は密に分枝し、雌花花序は単一で下垂しますが、こちらはオス花序も下垂して、メス花の子房の長さとほぼ同じ長さの柄がオス花にあるため、遠目には花序の雌雄を区別し難いです。
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花柄が長く、花弁の幅が細く反り返る点が『オニドコロ』と異なります。
しかし、ここの『ヒメドコロ』は『オニドコロ』と葉の形が非常に見分けにくいですね。
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小花は大きさ10mm程度ですが、ジックリ見るとハッキリとした6弁花です。