ケンポナシ

果実が梨の味がします。熟した果柄をテンポ(手棒)とみて、この名がついています。
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ケンポナシ 玄圃梨
まだ花が咲いているときで実がつくには早かった。
樹高が15~20mになる高木です。
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6~7月に枝先から集散花序を出し、淡緑色の小さな花を多数開きます。
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樹皮は暗灰色~灰褐色で若いうちは滑らかなのですが、大木になると縦に浅く裂け写真のように薄く剥がれるようになります。このような剥がれ方をする樹皮は珍しく独特の樹皮ですね。縦に裂けるだけで、剥がれない木もあります。
◇科名:クロウメモドキ科 ◇属名:ケンポナシ属(Hovenia=わが国にも住んだオランダの宣教師David v.d.Hoven の名に因んだもの) ◇学名:Hovenia dulcis(dulcis=甘い,甘味のある)
別名は熟した果柄見た目の『テンポナシ(手棒梨)』『ケンプ』『ゲンノミ(玄の実)』
葉は互生します。左右に2回づつ葉がつくクサギ型葉序になることが多いようです。
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クサギ型葉序と言うのは、文章では説明しづらいのですが…。コチラのサイトに→画像が。コチラの方が判りやすいですかね?→葉の空間配置
クサギ型葉序と言うのは互生の一種で 4列互生とも言われる葉の付き方です。枝の周りに順に葉がでるのですが、隣り合う葉の角度 ”開度”は、一つ目の葉から次の葉がつく角度は90度なのですが、その二つ目の葉から三つ目の葉がつく角度は今度は180度になります。そして次の四つ目の葉がつく角度は今度は270度になって、今度はまた一つ目のはになるのですがそこの角度が180度。この繰り返しとなっていて、枝が水平になる場合は、日を受けるために 90度の2枚が片側に展開する…という複雑な付き方をします。
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同じような葉の付き方をするのが→『ネコノチチ』(記事)
葉身は広卵形で質はやや薄く縁には低い鋸歯がありますが、写真のように大きく波うつ場合もあります。
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この画像じゃあ判りづらいですが…雄しべは5本です。もう少し近寄れたら良かったのですが…。
果実は球形の核果になりますが、果肉はほとんど無くて、代わりに果柄が太く折れ曲がって肉質になり、食べられます。
ちっちゃな実が見えますが、当然この時期はまだ未熟です。冬に熟し、果実が黒色なるころ果柄は梨の香りがしておいしくなります。まぁ、この木の場合は手が届かないですが…(笑)。