棗と…

他の樹木より遅く、初夏になって芽を出すことから、この名がついています。
イメージ 1中国名をそのまま和名にしたものです。
ナツメ
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◇科名:黒梅擬(くろうめもどき)科 ◇属名:ナツメ属(Zizyphus=アラビアの植物名 zizonf が元でギリシャ名 zizyphon となり、更に今の名に変わった ◇学名: Zizyphus jujuba var. inermis(nermis=とげのない)
通りがかりのお家の塀越しに、地面に届きそうなくらいに伸びて枝が垂れ下がっていました。
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開花時期は5月から6月で、葉の脇に淡い黄色の小さな星のような5弁花をつけます。
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小さな花ですが沢山並んでつきます。

節に鋭い棘があります。葉は卵形で、互い違いに生える互生。
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じつはこの葉っぱにはもう一つ変わった特徴があります。
以前のブログ記事…と言うか、今でも記事アップは続いてますので、もう一つのブログと言う事になりますが、アチラでも触れましたが、一時期評判になった『ギムネマ』というのがありますね。多年性のつる性植物で、特徴はなんと言っても甘さを感じなくなると言う不思議なハーブです。ガガイモ科(Asclepiadaceae)の植物で、学術名は『ギムネマ・シルベスタ(Gymnema sylvestre)』。 ギムネマの葉に含まれる『ギムネマ酸』の働きは、甘味を持つ食品に対して食欲が減退する効果があります。ナツメの葉に含まれているジジフィン(Zizyphus jujuba)と言う物質があります。この物質は甘味を持つ食品に対して食欲が減退する効果があります。味覚受容体にはたらいて一時的に味覚機能を変える物質を味覚修飾物質(taste-modifier)と呼びます。
ナツメの葉を囓った後で、甘味料に使われる『ステビア』などを口にしても甘さを感じなくなります。
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コチラが秋につく赤い実です。
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食用にもなり、薬用にも用いられます。
万葉集には2首に登場しますが、作者不明のコチラの歌を…
原文: 成棗 寸三二粟嗣 延田葛乃 後毛将相跡 葵花咲
梨(なし)、棗(なつめ)、黍(きみ)に粟(あは)つぎ、延(は)ふ葛(くず)の、後(のち)も逢はむと、葵(あふひ)花咲く
意: 梨(なし)、棗(なつめ)と続くように、あなたに会いたい。葛(くず)のつるが別れてまたつながるように、またあなたに会いたい。あなたに逢う日は花咲くようにうれしい。
かけ言葉が使われているのがお判りと思います。 ☆黍(きみ)に粟(あは)つぎ --> 君に逢はつぎ ☆葵(あふひ) --> 逢う日

さて、この『クロウメモドキ科』の植物で、花がよく似ているのも、同じ時期に咲いています。
ネコノチチ 猫の乳
この植物の名前なんですよ~。
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この変わった名前は実の形が猫の乳首に似ることから。
◇科名:クロウメモドキ科 ◇属名:ネコノチチ属(Rhamnella=属名「Rhamnus」の縮小形。「Rhamnus」はギリシャ古名。刺のある低木のこと。ケルト語では「ram」は潅木を表します。 ◇学名:学名:Rhamnella franguloides Weberb(franguloides=イソノキ(Frangula)に似た)
、花後に出来る果実が、黄色から赤くなり、最後に熟して黒紫色に変わるところが面白い花です。
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葉は互生ですが、右・右・左・左という珍しい付き方をします。
縁には細かな鋸歯があり、葉の先は尾状に長くとがっています。
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