サザンカと椿の花 2018 其の3

まだまだ……其の3

山茶花」という表記で山茶花が日本の文献に最初に現れるのは、室町時代の【尺素往来(セキソオウライ)】です。

それまでの山茶花は、椿と明確に区別されていなかったらしく、植栽の歴史もよくわかっていません。
サザンカは、江戸中期頃になると栽培が盛んになります。
伊藤三之丞が著した【花壇地錦抄(カダンチキンショウ)】には、36品種が解説されています。

大和本草』には「茶梅は山茶の類にて葉も花も小なり。白あり。香よし」と記されています。

この頃から盛んに品種改良が行われ、11代将軍の家斉(1786~1837 年)は、山茶花をこよなく愛していたそうです。山茶花は元禄3年に長崎に来航したドイツ人医師ケンペルによって初めて海外に紹介されました。
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サザンカですが、カンツバキ群に分類されます。
昭和の誉
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桃色と、このように斑入花もあり、獅子咲きの中輪。
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埼玉県または関西産で、11~2月咲き。
1950年の石井「園芸大辞典」には皆川氏作出とあるそうですが、関西における実生とする説もあるようです。
雪山(セツザン)
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これもサザンカです。
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白色の一重で平開咲きの大輪。11~12月咲き。
江戸時代中期の園芸書に載っている【雪山】は、これとは違い別品種で、重が多くあります。
1885年の【日渉園茶梅譜】に記述があります。
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コチラは椿の花です。
玉霞(タマガスミ)
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白~淡桃色地に、紅色の吹掛け絞り。
一重の抱え咲きで、筒しべの小~中輪。
これは《園芸太郎庵》の自然実生と言われていますね。
因みに《園芸太郎庵》は淡桃色で一重の抱え~椀咲きの中輪。
白菊月
これも椿です。
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白色の一重で筒咲き、筒しべの小輪。
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皇玉(コウギョク)
サザンカのカンツバキ群です。
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白に近い淡桃地で、外弁は桃色です。
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千重の中輪で11-1月が開花時期。
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埼玉(安行)産。
コチラもカンツバキ群。
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夕陽(セキヨウ)
熊本(肥後)産で、開花は11-12月。
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濃紅色で二重の盃状から平開で大輪です。