ムラサキシキブ

初秋に小さな青い実でお馴染みの『ムラサキシキブ』。丁度今頃からが、開花時期になりますね。さてと、この『ムラサキシキブ』は『コムラサキ』と間違って覚えられやすいです。普通街中にある児童公園や一般のお庭で見かけるのは殆どは『コムラサキ』です。もっともコレはお花屋さんで間違って表記して売っている事も原因ですがね。ムラサキシキブは鉢植えとかには向いていませんし、児童公園の植え込みにも向かない枝振りですからね。

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花の柄の根元と葉っぱの柄の根元がほぼ同じところについているのがこの『ムラサキシキブ』です。
では何故『コムラサキ』を『ムラサキシキブ』として販売するのか?と言う疑問がありますが、これは江戸時代の本草書に『実紫(みむらさき)』『小紫(こむらさき)』そして『玉紫(たまむらさき)』などの名が出て来るのですね。【植木売は紫式部といふ】といった記述もあって、いわゆる販売促進の一環として『紫式部』の名が使われ始めた可能性があります。
因みに、『コムラサキ』は少しずれてつきます。《→見分け方の記事http://blogs.yahoo.co.jp/chameleon_arms/52216817.htmlムラサキシキブコムラサキとシロシキブとシロミノコムラサキ

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コレがコムラサキ

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さて…以前にチョットは花の画像も載せたのですが、やはりどちらかと言うと、紫色の実がついたときの記事ばかりになっています。
今回は花をしっかりとお見せします。

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コッチがムラサキシキブ

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葉腋から集散花序を出して、淡紫色の花を多数開きます。
==《ムラサキシキブ 紫式部》==
樹高は2~3mくらいにになりますね。枝が真っ直ぐに斜上します。

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【◇科名:熊葛(クマツヅラ)科 ◇属名:ムラサキシキブ属(Callicarpa=カリカルパ。ギリシャ語の「callos=美しい」+「carpos=果実」が語源 ◇学名:Callicarpa japonica(japonica=日本の)】
ところで、このムラサキシキブの名は果実が美しい紫色なので、平安時代の才媛「紫式部」になぞらえて名付けられたというのが通説になってますが、群がるようにつく果実の様子を重実(しげみ)などと呼ぶので、そこから転訛して紫色のシキブとなったという説もあります。

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実はムラサキシキブと言う花は、『紫式部』の名はありますが、源氏物語にはこの植物は現れていませんね。また、万葉集枕草子など知られた詩歌や文芸などにも『ムラサキシキブ』の名は現れていないようです。