マルバフジバカマと…

秋の七草の一つ『フジバカマ』は、林縁などに生え、地下に太くて長い根茎があり横走し群落を形成することがあります。
コレは『フジバカマ』の仲間です。フジバカマの名前が付いていますが…あまり似ていないですね。
==【マルバフジバカマ(丸葉藤袴)】==

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丸葉という普通に思うイメージとは違いますが、普通のフジバカマの葉は3裂していますが、本種は卵型なのでこの名前があります。
こうなると…ややこしくなっちゃうンですよね。似た花が多いから区別がつけにくい(笑)。
草丈は30~150cmくらい。北アメリカが原産の帰化植物です。
箱根以東の関東~東北に分布しています。明治中期~昭和初期に神奈川県箱根強羅周辺で発見されたもので、強羅自然公園の植栽品が野生化したものらしい…と言われています。
各頭花の筒状花は白色で10~25個とかなり多いのが特徴です。
《◇科名:キク科 ◇属名:ヒヨドリバナ属(Eupatorium) ◇学名:Eupatorium rugosum(rugosus=縮んだ、皺シワのある、皺がある縮み方)》

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茎の上方で分枝して枝の先端に白色の頭花を多数つけます。頭花は散房状につきます。
葉は対生し長い柄があり、広卵形~卵状披針形で、葉身は分裂しません。
葉の先は鋭く尖り、両面にまばらに短毛があり、縁には粗い鋸歯があります。

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筒状花の先端(花冠)は5裂して、2本に割れた白い糸状の雌蘂(花柱)を花冠の外に長く伸ばします。舌状花はありません。総苞片は倒披針形、ほぼ同じ長さのものが1列に並びます。
普通のフジバカマはコチラ。
==【フジバカマ(藤袴)】==

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小さいピンク色の花がたくさん咲きます。花の色が藤色で、花弁の形が袴のようなので藤袴

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《◇科名:菊科 ◇属名:フジバカマ属( Eupatorium(ユーパトリアム)紀元前132~63年の小アジアの Pontus 王Mithridates の姓 Eupator に捧げられた名。彼はこの属のある植物を薬用にしたと云われています ◇学名:Eupatorium japonicumEupatorium fortunei(Fortunei=東亜の植物採集家R.フォーチュンの)》
中国では「香草」と呼ばれています。開花時に乾燥させたものを『蘭草』といい、糖尿病に効くといわれています。

*茎に赤みが差すようなものは全て本当のフジバカマではなく、園芸品種だと、いうとことです。
園芸店にあるのは『さわふじばかま(Eupatorium x arakianum)』だと思います。*

以前にに記事にしてますが、よく似ている【ヒヨドリバナ】は葉が裂けずに対生し細長く、筒状花が5個です。

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==【ヒヨドリバナ】==

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『ヨツバヒヨドリ』は、葉が3~5枚輪生します。筒状花はやはり5個。通常の『フジバカマ』は、葉が2~3つに深く裂けていて筒状花が5個。

コチラは斑入りの品種。『シロバナフジバカマ』『キクバフジバカマ』などと同じ園芸品種です。

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==【フイリフジバカマ(斑入り藤袴)】==
葉の縁に白く斑が入ります。

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他はフジバカマと同じです。

え~一応ですが、、、、、秋の七草ね(・ω・)ノ
万葉集のこの歌で山上憶良(やまのうえのおくら)が選定したものです。
【原文:秋野尓 咲有花乎 指折 可伎数者 七種花 *万葉集・巻八 1537】
◆読み:秋の野に咲きたる花を指(および)折りかき数ふれば七種(ななくさ)の花
◇意味:秋の野原に咲いている花を指を折って数えてみると七種類の花がある。
【原文: 芽之花 乎花葛花 瞿麦之花 姫部志 又藤袴 朝皃之花 *万葉集・巻八 1538)】
◆よみ: 萩の花、尾花(をばな)、葛花(くずはな)、なでしこの花、をみなへし、また藤袴(ふぢはかま)、朝顔の花
◇意味:その七種の花というのは、萩の花、尾花、葛の花、撫子の花、女郎花、それから藤袴朝顔の花である
*この『朝貌』は今では『桔梗』のことであると言われています。