ノブキ

フキの花が『蕗の薹(フキノトウ)』ですが、コチラはかなり見た目に違います。
葉がフキに似ていることからこの名前がついています。
因みに…[http://blogs.yahoo.co.jp/chameleon_arms/50132315.html フキノトウ]←『蕗の薹』→[http://blogs.yahoo.co.jp/chameleon_arms/50097463.html フキノトウ]はコレ。
==《ノブキ/野蕗》==

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薄暗く湿った山道や湿った林の下などに生えます。夏から秋にかけて花茎を形成し、順次花を咲かせるので、このように花と果実が同時に観察できます。

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蕗の花は「蕗の薹」で春に咲きますが、ノブキは花期は8~10月で夏の終わり頃から秋に咲きます

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【◇科名:キク科 ◇属名:ノブキ属(Adenocaulon=「adenos=腺」+「caulos=茎」。花茎上部に粘質の腺毛を密生する) ◇学名:Adenocaulon himalaicum(himalaicus=ヒマラヤ山脈の)】
茎は高さ50~80cmになって上部で枝を分けます。

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葉は幅10~20cmの三角状腎形で、長さ10~20cmの葉柄には狭い翼があります。葉裏は綿毛が生えて白っぽい。フキの仲間ですが、食用にはなりませんが、腫物、切り傷、かぶれなどの薬草として古くから用いられてきました。

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花の穂先を良く見ると、小さな花の集まりであることがわかります。
周辺の雌花は稔ると棍棒状の果実ができ、中心部の雄花が落下するので、その跡が中心に白い点となって見えます。

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''頭花は筒状花をしていて、まわりに雌花があり、中心部には両性花(不稔なので機能的には雄花)がありますが、両性花は結実せず、縁にある雌花だけが結実します。''
{{{※不稔=植物において種子が形成されないか、できてもその種子が成体へ発生する能力をもたないこと。生殖器官の異常によるもの、花粉や胚珠・胚や胚乳などの形成異常によるもの、また配偶子は普通には受精可能だが、自殖あるいは特定の系統間の交雑の場合のみ不稔性になるもの(不和合性)などがあります。}}}

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花柄に腺毛があります。雌花は7~11個。痩(そう)果は6mmほどのこん棒状で、腺毛があります。
果実には粘液を出す濃紫色の粘腺点があり、これで動物に付着して種子を散布します。
ノブキの実は『イガオナモミ』や『コメナモミ』などのようにカギ状のとげを動物の毛や人の衣服にひっかけ、種を運ばせます。所謂ひっつき虫の仲間です。