オオイヌノフグリ…じゃなくて『イヌノフグリ』

道路脇や原っぱ、川の土手など、『オオイヌノフグリ』は何処にでも見かけるけど、この花は、まず…見かけることは無いでしょう。
と言うよりも…この花の存在を知らない人が多いと思います。
イメージ 1
イヌノフグリ 犬の陰嚢
オオイヌノフグリ』…じゃなくて『イヌノフグリ』です。覗き込まないと分からないくらいに小さな花です。小さな葉に大きな鋸歯、この葉っぱだけだと『ホトケノザ』のようにも見えます。
https://other-blogs.c.yimg.jp/res/blog-9b-4b/chameleon_arms/folder/1281489/54/52623654/img_3?1333386660.jpg
点在する毛、茎は立ち上がらずに石垣などを這うように伸びます。
ホント…ちっちゃな、ちっちゃな花です。花茎は、せいぜい3ミリ程度です。
イメージ 2
白っぽく写っていますが花の色は薄いピンク♪なのです。日が当たらないとハッキリ色が判りません。

では、何故?この『イヌノフグリ』を見かけることが少ないのか?『イヌノフグリ』は絶滅危惧種に指定されています。
このイヌノフグリがある場所は、大事に保護されていますが、ほんのチョットしか無いスペースで、実はもう一箇所、オイラが見つけた場所があったのですが、今年はまだ顔を出していませんでした。

イヌノフグリ』が絶滅が心配されるほど減ってしまった理由としては、先ずは生えられる環境でしょうね。舗装してない道路脇の柔らかい土とか、石垣の間の土などが少なくなったのが第一でしょうね。その反対に『オオイヌノフグリ』は、イヌノフグリやフラサバソウに比べて茎が立ち上がる性質が強く、低めの草地でも他の草と競り合ことができると言うのが繁殖した要因の一つでしょうね。

おなじみのオオイヌノフグリ青い花ですよね。大きさも8ミリくらいあります。
https://other-blogs.c.yimg.jp/res/blog-9b-4b/chameleon_arms/folder/1281489/94/52577794/img_2?1359858220.jpg
オオイヌノフグリ』は、細くて長い花柄も受粉/授粉の役に立っているそうです。
虫が花に止まると重みで花柄が曲がり花は下を向きます。虫は落ちまいとしてあわてて雄蘂と雌蘂にしがみつくので、そのとき花粉がたっぷり付着すると言うように、きわめて巧妙な仕組みになっているのです。
また『イヌノフグリ』の花期が3月から4月なのに対して『オオイヌノフグリ』はご存じのようにもっと長い間咲きますよね。場所によっては1月に咲いていることさえあります。
更に、更に…『オオイヌノフグリ』が決定的に有利な点がもう一つあるのです。
夕方になると開いていた2本のおしべが閉じてめしべに花粉を付けるのです。コレなら確実な方法です。

しかし『イヌノフグリ』の場合は、雌蘂が雄蘂より長いので、自花受粉はありません。他花受粉しかしないのです。昆虫に見つけて貰わなければいけません。
それは…虫による他花受粉だけでなく、自花受粉も行うことです。