サクラタデ・シロバナサクラタデ

この時期に水辺を歩いてると、タデ科の似たような花が咲いていますが、この花は花が櫻に似ていると言う事で名前がついています。
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サクラタデ 桜蓼
水辺に生え、高さは50~100センチくらい。
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花穂は細長く帯のようにのびて花が淡い桃色の5弁の花びらをつけます。
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◇科名:蓼科 ◇属名:タデ属(Polygonum=ポリゴナムは、ギリシャ語のpolys(多)+gonu(膝、節)。茎に多くの膨らんだ節があり関節のように見えることから。CGのポリゴン(polygon)は多角形という意味 ◇学名:Polygonum conspicuum(conspicuumは「顕著な,目立った」という意味)
茎は直立し、両端のとがった葉を互生します。タデ特有の細い葉で、茎はまっすぐに伸びます。
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開花時期は8月から10月で、雌雄別株です。長い花穂を伸ばして、淡い紅色の花を咲かせます。
ただし、この花びらに見えるのは萼片です。
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雄花は8本の雄蘂が雌蘂の花柱よりも長く、雌花は雌蘂の花柱のほうが長い
花の後にできる実はそう果です。
花言葉は「愛くるしい」

そしてコチラが…
シロバナサクラタデ 白花桜蓼
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『サクラタデ』と比べて、花の色が白いことと、花穂が細くて華奢です。
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◇科名:タデ科 ◇属名:イヌタデ属(Persicaria=「persica=モモ」に似ていると云う意味。この植物の葉がモモの葉に似ているため) ◇学名:Persicaria japonica(japonica=日本の)
枝先に花序を1~5本出し花を多数つけます。花被は白色で腺点があり、長さ3~4mm。雄しべは普通8個、雌しべは1個で花柱は2~3岐。そう果は3稜形またはレンズ状で黒色で光沢があります。
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この『シロバナサクラタデ』は「イヌタデ属」で、「タデ属」の『サクラタデ』とは違います。『サクラタデ』の白花のものはややこしいですが。『シロバナハナサクラタデ(*P. conspicua f. albiflora)』といい、『シロバナサクラタデ』とは区別されます。
サクラタデは花被が長さ5~6mmと大きい。
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花期は8~10月。
花びらに見えるのは萼で、萼には腺点があります。
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根茎は地中で長く伸び、枝を分けて増えます。茎は直立して、高さが30~100cmになります。
節が紅色を帯びます。葉はタデ科特有の披針形(両端のとがった細い葉)。鞘状の托葉は長さが1~2.5cmで粗い伏毛があり、縁には長毛が生えます。
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この植物は株によって花の形が違います。地下茎で増え大きな株になるので場所によって花の形が違うと言う方が分かりやすいかもしれません。
以前に調べて判ったのですが、じつは、花には長花柱花と短花柱花との2型があるのです。
雌蘂の方が雄蘂より長いものを『長花柱花(ちょうかちゅうか)』
雌蘂が雄蘂より短いものは『短花柱花(たんかちゅうか)』と言います。
長花柱花をつける方を【雌株】短花柱花をつける方を【雄株】と説明されているところでは【雌雄異株の花】となっています。
雌雄異株となると、種子を見ることがなければ全ては雄株の群落と言うことになりますが…。
しかし、花には長花柱花と短花柱花との2型があると言うことになると、『長花柱花』では花柱が長く、雌蕊柱頭は花被の外に出ることになります。逆に『短花柱花』では、花柱は雄蕊の花糸よりも短いのですね。
この場合、それぞれ別のタイプの花粉を受粉しないと結実しないのです。説明に依れば…
【日本の野生植物(平凡社)】ではこの花を、地下茎のある多年草。雌雄異株。としていて、※【雌雄異株】は、雌花では雌蘂が雄蘂より長く、雄花では逆になります。雄株の方が多く見られ、ときに雌雄の花がひとつの花序に混生しているものもある。※となっているらしい。
【牧野 新日本植物図鑑 (北隆館) 】では、異花柱花であると言う説らしく、※株によりおしべが長く花柱が短いものと、おしべが短く花柱の長いものとがある※となっていると言うことです。