ミズキンバイ

和名の由来は、キンポウゲ科の金梅草(キンバイソウ)に似ていて水中に生えることから。
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ミズキンバイ 水金梅
本州から沖縄にかけて分布し、水辺や水田などに稀に生えます。
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長い地下茎で広がり、茎の節から白い呼吸根を出します。水深が浅いと茎が立ち上がり抽水植物(根が水底の土中にあって、茎や葉が水面から上に伸びている水生植物)に、深さがあると水面に葉を浮かべる浮葉植物になります。
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草丈は20センチから50センチくらいで、茎は直立して水上に出ます。
葉は楕円形で、長い柄があって互生につきます。
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◇科名:アカバナ科 ◇属名:チョウジタデ属(Ludwigia=ドイツ人の植物学者『ラディック(Christian Gottlieb Ludwig, 1709-1773)』に因んだもの ◇◇学名:Ludwigia peploides subsp. stipulacea(peploides=トウダイグサ属の「チャボタイゲキ(Euphorbia peplus)に似た」/ 亜種名: stipulacea=托葉のある)
開花時期は7月から9月。花は一日花で、花径2、3センチの黄色い5弁花をつけます。
花弁数は4枚のこともあります。
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花の後にできる実は、熟すると下部が裂け、種子が散布される”さく果”ですが、裂開はせずそのまま落下します。
環境省のレッドデータリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されています。
ミズキンバイは、以前は本州・四国・九州の池・河川・水田・水路に群生していたのですが、現在、生育が確認されているのは千葉県、神奈川県と、高知県および宮崎県の4県のみというのが現状のようです。
『ミズキンバイ』は在来種ですが、同属の外来種に『オオバナミズキンバイ*Ludwigia grandiflora subsp. grandiflora』があって侵略的水草として問題になっていますね。コチラは、南米~北米原産の多年草で、茎が1mも伸びる大型種で、花径も3~4cmとミズキンバイよりも一回りも大きめです。
爆発的な繁殖力で湖沼の生態系に影響を与えています。
ところで…『オオバナミズキンバイアメリカミズキンバイ』であるとすれば…、従来は”ヒレタゴボウ”となっていたのでは?→ヒレタゴボウ
こんなサイトがありました。→侵略的外来水生植物 オオバナミズキンバイからまちを守ろう - 守山市
また、つい最近、配信のニュースでこんなのがありました。一部を抜粋します。

2014.7.2 09:43なぜ 爆発的繁殖!?「オオバナミズキンバイ」を重機でゴッソリ駆除 琵琶湖

 琵琶湖の環境を考える「びわ湖の日」の1日、滋賀県内の企業や団体、行政機関が湖岸や漁場などで一斉清掃を行った。同県守山市山賀町の小津袋内湖では、爆発的に繁殖する外来植物のオオバナミズキンバイを駆除。これまで人力中心だった刈り取り作業に、県が重機を試験導入して効果を確かめた。
 琵琶湖のオオバナミズキンバイは平成21年に同市で初めて確認され、繁殖域は昨年末時点で南湖の約6万4千平方メートルに拡大。水面を覆ってしまうため、ヨシの生育や固有魚の産卵などを阻害している。ちぎれた茎からも根を出すことから、昨年度は茎や根を残さないよう人の手でていねいに刈り取っていたが、作業効率の悪さが問題だった。