チャノキ

10~11月、つまりこの時期に白い5弁の花を下向きに開きます。
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ツバキ…じゃなくて、コレは茶の花。 
花弁は白色円形で5~7枚、縁はひだ状。雄しべは多数で、基部が花冠と合生します。
『チャノキ』は、もともとは亜熱帯の樹です。
栽培の条件としては、気温も必要なのですが、降水量(湿気)も重要だそうで、谷間に作られることが多いです。
◇科名:ツバキ科 ◇属名:ツバキ属(Camellia=マニラに住み、また東亜の植物を採集していた、17世紀のチェコスロバキアの宣教師「G.J.Kamell=ゲオルグ・ジョセフ・カメル」の名に因んだもの) ◇学名:Camellia sinensis(sinensis=支那の)
チャノキは中国原産の常緑樹ですが、今では日本の温暖な地方では栽培されていたものから野生化していますね。
日本には1191年に渡来して、緑茶用に各地で栽培されるようになりました。
栽培されている場合はちゃんと刈り込まれていますが…
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チャノキは放置すると10m近くにもなります。そりゃそうです、ツバキの仲間ですからね。
秋の終わり頃から初冬にかけて白い花を下向きに咲かせます。
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雄蘂がたくさんありますね。まさしくツバキ属と判ります。

お茶には幾つかありますよね。そう『緑茶』『紅茶』そして『ウーロン茶』です。
『緑茶』は若葉をつみとり、短時間せいろで強く蒸します。その後さらに熱を加えながら、手でもんでよりをかけて、最後に火入れといわれる加熱をして茶にします。茶は適当に加熱してあるので酸化酵素が不活性化されて、緑色を黒変させることやビタミンCの破壊を防ぎます。 
なかでも『玉露』は、茶つみの20日ぐらい前から葦簀(よしず)をかけて栽培した若葉を製茶したもので、最高級品のお茶です。『抹茶(まっちゃ)』は、葦簀の下で栽培した葉を美濃紙の上で加熱して、よりをかけずに粉末にしたものです。
玉露』の名前は、製茶業者『山本山』の商品名に由来しています。天保6年に山本山の六代『山本嘉兵衛(徳翁)』が、宇治郷小倉の木下家において、茶葉を露のように丸く焙り、これが「玉露」の原型。現在のように棒状に焙っているのは、明治初期に製茶業者の『辻利右衛門(辻利)』によって完成されたものです。 
緑茶には『カテキン(タンニン:渋み)』『カフェイン(苦み)』『テアニン(うま味)』『ビタミン』など多く含まれていて、健康飲料としていろいろな効果、効能があります。そんなこと抜きにしてオイラは好きですがね♪
日本海側の北限の茶として知られるる産地は新潟県村上市です。所謂『やぶきた茶』。
ところで…お茶と言えば静岡というイメージなのですが…
じつはそれは明治時代以降の話です。江戸末期に伊豆に駐在していた総領事ハリスの元へお茶を輸出したいと申し出たのは茨城県猿島地区の茶生産者なんですね。
それから、まぁコレは当たり前ですが…、浪曲は、明治時代初期から始まった演芸の一つなので…「♪旅行けば駿河の国に茶の香り~♪」は、明治以降に作られた物でございますね。 
『紅茶』は煎じた汁が赤褐色になるので、紅茶。茶葉の酵素を発酵させて作ります。発酵熱でビタミンCは消失しますが、逆に特有の芳香が出ます。紅茶にはタンニン質の多いアッサム茶が使用されます。
『ウーロン茶(烏龍茶)』は、台湾、中国の製品です。緑茶と紅茶の中間の発酵で「半発酵茶」のことです。ビタミンCは、ほとんど含まれず、カフェイン、カテキンは緑茶とほぼ同様、茶特有のタンニンの解毒作用が発酵で弱められていて、緑茶よりも胃にはやさしい作用があります。 一応…ウーロン茶は1、2級茶葉の高級品がお勧めと言うことです。味わい深さがスーパーや自販機のウーロン茶とは桁が違う味らしい。
*英語の「ティ」フランス語の「テ」そしてロシア語?の「チャイ」のそれの語源は、全て中国語の「茶:チャ」から来ています。「ティ」は元々英語ではなくて、中国の福建省周辺で語られていたもので、「福建語」でも「ティ」と呼びます。

ところで缶入りのお茶をあけた瞬間「プシュッ」と何かが抜ける音がしますが、あれは炭酸ではなく窒素です(笑)。お茶の酸化防止が目的。
ペットボトル入りのお茶、内容物の材料原価…つまり、お茶葉&水は500ミリリットルで約10円です(笑)。儲かってますな…、自販機に八〇円のとかがあるのも判りますね。

宇治茶として有名な京都府内での茶の生産量は年間2850トンなのですが、なぜか…以前は宇治茶として市場に出回っている茶は約1万トンもあったのです。そこで、2003年の4月からは『京都府茶業会議所』が「京都府内産50%以上が含まれている物を宇治茶」と定義しました。そのためか、現在は宇治茶と名乗れる物は6000トンほどになると言われています。