コバノカモメヅル

花色が珍しい茶色の野草。都心では滅多に見かけないのですが、湿地などに生える小さな星形の蔓性植物です。名前は葉っぱの形がカモメに似てる事から。
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コバノカモメヅル 小葉鴎蔓
開花時期は7月から9月で本州の関東地方から近畿地方にかけて太平洋岸に分布しています。他の草などに巻きつき、草丈は2メートルから3メートルになります。
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葉は対生で、7~15mmの短柄があって長さ4~5cmの広披針形で先が尖ります。鋸歯はありません。
葉の基部は円形か心円形。
◇科名:ガガイモ科 ◇属名:Cynanchum=「cyno=犬」+「anchein=殺す」で、犬と殺すの合成語でこの属の植物が犬に毒害があると考えられていた、この属の一種の古代名 ◇学名:Cynanchum sublanceolatum(sublanceolatum=やや被針形のという意)
ガガイモ科の花は雄蘂と雌蘂が合着したずい柱を形成して、花粉粒は固まって花粉塊となり補足体(小球、小体)の左右に1個づつが糸状の物質で繋がっています。
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中央に雌蘂と雄蘂の合体の芯柱(ずい柱(肉柱体))があって、副花冠が囲んでいます。副花冠は5、雌蘂はやや盤状で、雄蘂は5つで、散形状に着きます。
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花粉塊は昆虫が媒介し、果実は袋果で豆果に似て長さ5~7cmくらいになります。熟すと裂開して種子が風で運ばれます。
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種子は扁平で、種子に絹糸状白色の長い冠毛があって、ガガイモの仲間であることが判ります。