クソニンジン

草丈 は2mを超えることもある大型の一年草です。
アジアからヨーロッパにかけて広く分布する植物で、日本へは中国から入ってきて帰化しました。
ヨモギの仲間でキク科ですが、ヘクソカズラと同じようになんと哀れな名前を付けられてしまっています。かわいそうな名前の代表の一つですね。
ソニンジン 糞人参
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残念ながら花が咲いてるのが一つだけで、こんな画像しかない。
◇科名:キク科 ◇属名:ヨモギ属(Artemisia=ギリシャ神話の女神『Artemis(Diana)』を記念して付けられたヨモギの古名。婦人病に効くため) ◇学名:Artemisia annua(annualis=一年生の)
イメージ 2葉を揉むと匂いが強烈で、人参の葉ににていることからこの名前がついたのですが、英名はなんと『スゥイートアニー』で、国が変わると匂いの感覚も違うのかもしれません。
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江戸時代以前に中国経由で薬草として渡来したのですが、各地に雑草として帰化しているようです。
中国名は『青蒿(セイコウ)』
実はこの薬草、大変な有効性があるのです。
世界保健機構(WHO)によると、マラリア感染者は、年間約4億人、死亡者は年間約200万人いると報告されており、アフリカなどの熱帯・亜熱帯地域では重大な感染症となっています。そのマラリア治療薬の探索プログラムで、古くからマラリアなどの感染症や炎症性性疾患に使用されていた『クソニンジン(中国名は青蒿 セイコウ)』がとり挙げられ、有効性が認められました。
1972年に中国人女性科学者、【屠呦呦Tu Youyou】博士らは、その有効成分が『アルテミシニン=artemisinin』中国名では『チンハオス(青蒿素)』であることを明らかにしました。
その結果、アルテミシニンとその誘導体が抗マラリア薬として世界中で利用されています。
しかし日本はマラリア感染とは無縁な国であることから、アルテミシニンという医薬品はほとんど知られていません。