オガタマノキ・カラタネオガタマ・ベニバナカラタネオガタマ

オガタマノキは関東以西の本州太平洋岸、四国・九州・琉球、台湾、フィリピンに分布する常緑高木です。
古くから神社の境内などで、よく大木が見られます。
名前の由来は、神社などで神前にお供えして、神様や魂を招き寄せる『招霊(おぎたま)』が「オガタマ」と訛ったものと云われます。高木が多くそれだけ樹の寿命も長いと言う事になりますね。
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オガタマノキ 招霊木
オガタマノキの花自体は、かなり…控え目に開花します(笑)。大木の場合は写真に収めるのはなかなか大変です...。
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直径約3cmの香りの強い白色の花が葉腋に1個ずつ咲きます。花被片は全て花弁状で基部は紅色を帯びます。花には、優しい芳香がありますよ。
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葉は長さ5~12cmで全縁・革質。葉柄は比較的長く、2~3cmで有毛。裏面は白色を帯びてスムーズであり、新緑時には、主脈付近に目立たない毛がある。
◇科名:モクレン科 ◇属名:オガタマノキ属(Micherliaha(ミケリア=スイスの植物学者『Marc Micheli(1844~1902)』の名に因んだもの) ◇学名:Michelia compressa(compressa=)
樹皮は暗褐色。枝は暗緑色で、葉は互生し、葉身は5~12cmの長楕円形で鋸歯はありません。表面は深緑色で光沢があって、裏面は白色を帯びます。葉柄の長さは2~3cmで有毛。葉っぱは『榊サカキ』と同じく常緑で葉先が尖っています。
神社の木って、そう言えば…みんな葉は先が尖ってるかも…。
ところで…一円玉にデザインされている木と葉っぱですが、本来はあの若木のデザインのモデル樹種は特になく、特定のモデルがないからこそ却ってどの木にも通じるという事で、一般公募の中から選ばれたものなのですが、実はこのオガタマノキらしいと…言う話があります。
1955年に一円硬貨が発行されることとなり、前年の1954年、この一円硬貨と(旧)五十円硬貨のデザインが戦後初めて一般公募された。40日間の公募期間で、一円硬貨だけで2,581点の応募があったそうです。
因みに…一円玉のデザインの表裏は、造幣局での便宜的な呼称で、明治時代の硬貨と異なり法律上の表裏はないのです。
一般的には…「日本国」と「一円」の方が表。そして「若木」と「1」があるほうが裏面という事にはなっておりますがね。
天に向かってまっすぐに枝を伸ばすことから神霊を招く木、即ち神の依り代(よりしろ)とされてきました。
玉串など現在は神事に榊(さかき)をもちいますが、古来は招霊木が使用されていたという事です。
果実は房が連なったような形で、一説には神官や巫女さんが持つ『神楽鈴』のモチーフだとも云われます。
モクレン科共通の形態の実で、10~11月には熟して裂け、赤い種子を出します。

さてコチラは遠くからでもイイ香りが漂いこの花が咲いているのが判るほどです。
カラタネオガタマ 唐種招霊
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中国産のオガタマノキと言う意味で、原産は中国南部で江戸時代中期に渡来しています。中国名は『含笑花』
英名では『banana bush(バナナの木)』と呼ばれています。花の香りがバナナに似ているから。
◇科名:モクレン科 ◇属名:オガタマノキ属(Micherliaha(ミケリア=スイスの植物学者『Marc Micheli(1844~1902)』の名に因んだもの) ◇学名:Michelia figo(figo=結びつける、固定するの意)
若枝や葉柄には褐色の毛が多くみられます。葉は互生し、葉身は楕円~長楕円形で鋸歯はなく全縁ですが、少し波うつ形です。表面は濃緑色で光沢があって、シキミの葉に似て柔らかな感じです。シキミも神社に多いですよね。
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自生しているものは無いです。主に庭や公園に植採さています。
葉腋に淡黄色の花を開き、花弁、萼片ともに縁が紅色を帯びます。
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そしてコチラが別名で『ポートワインの木』と呼ばれています。
カラタネオガタマの園芸種で、花色が赤紫色をしています。カラタネオガタマと同じく、花弁の長さは2センチ足らずと小さな花です。
ベニバナカラタネオガタマ 紅花唐種招霊
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以前にもう一つのブログで記事アップしてます→ポートワインの木
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◇科名:モクレン科 ◇属名:オガタマノキ属(Micherliaha(ミケリア=スイスの植物学者『Marc Micheli(1844~1902)』の名に因んだもの) ◇学名:Michelia figo var. Portwine
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ホントにイイ香りがします。
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