『ハナイバナ』『ヤマルリソウ』

花の大きさは2mm程度で薄い淡青紫色の花を付けます。雑草扱いされますがカワイイ花です。
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ハナイバナ 葉内花
道端に生える1~2年草です。花期は長く3月~11月くらいまで。
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花の姿も、育つ環境もキュウリグサ と良く似てますが、キュウリグサとは違い、花を葉と葉の間につけます。『ハナイバナ(葉内花)』の名前はまさに、そう言った意味になります。
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◇科名:ムラサキ科 ◇属名:ハナイバナ属(Bothriospermum=bothrion=小穴」+「sperma=種子」) ◇ 学名:Bothriospermum tenellum(tenellus=非常に軟い,細い,弱い)
キュウリグサ』の方は、花だけで花序(サソリ形花序)をつくり、先端は当初巻き込んでいて花を開きながら伸びていきます。
コチラがキュウリグサですね。何度かもう一つのブログで紹介してます。キュウリグサ
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キュウリグサも花の構造は似ています。やはり直径が約2mmと非常に小さいですが、副花冠の黄色が目立ちますね。
◇科名:紫科 ◇属名: キュウリグサ属(Trigonotis。「trigonos=三角+ous=耳」恐らく分果の形からと言われています。 ◇学名:Trigonotis peduncularis(peduncularis=花柄のある)
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コレも『キュウリグサ』 『ハナイバナ』は、花ごどに苞葉を付けます。キュウリグサのようにサソリ形花序とならないところが異なっています。上の画像と比べれば違いがハッキリ分かります。
『ハナイバナ』
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花序の先は蠍形ではなく真っ直ぐ。キュウリグサの副花冠は黄色のリング状ですが、ハナイバナの副花冠は 白色のリング状ですね。
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花後に出来る 果実の形も違います。
もう一つ似た花を…
コチラは花の大きさも全体の見た目、草丈も違いますが、同じムラサキ科の花で、画像で花だけを見るとよく似ています。こちらは花茎は約1㎝くらいです。
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ヤマルリソウ山瑠璃草
別名は『ヤマウグイス(山鶯)』
◇科名:紫科 ◇属名:ルリソウ属(Omphalodes=ギリシャ語の「omphalos=へそ」+「eidos=形」が語源。実の形に由来  ◇学名:Omphalodes japonica(japonica=日本の)
山地の林縁や道端などに生える多年草で、花期は4~5月。
茎の先の総状花序に淡青紫色の花を付けます。以前の記事→山瑠璃草

ムラサキ科の花は、合弁の放射相称花冠で、その形から車形(輻状)花冠と呼ばれます。
 花序(かじょ)は、枝上における花の配列状態のことを言います。チューリップのように茎の先端(茎頂)に単独で花をつけるものは『単頂花序』と言います。
何度かブログ内で花序の説明していますが、改めて簡単に…
今丁度咲き出している『フジ(藤)』のように、主軸が長く伸び、柄のついた花が間隔を開けてつくものは『総状花序』と呼びます。『オオバコ』のような、主軸が長く伸び、それに柄のない花が並んでいるものは『穂状花序』と言います。
そして春の主役『桜』は、主軸が短く、それより長い柄をもった花が間を詰めてつきますが、これが『散房(さんぼう)花序』です。
主軸が極めて短くて、ほとんど無くなっていて、花は同じところから出ているように見える『ヤツデ』などは『散形(さんけい)花序』(*傘形)。これらはまとめて『無限花序』と呼ばれます。
対して『有限花序』と呼ばれるのは、花茎の主軸の先端にまず花が作られ、次の花はその下方の側面の芽が伸びて作られるものです。
その中の一つがキュウリグサなどの『さそり型花序(*巻散花序、かま型花序などとも言う)』です。
主軸の先端の花の下側から一つだけ横枝が出て、横枝先端の花のすぐ下から、同一方向に横枝が出ることを繰り返します。
全体を見ると、花軸の先端は螺旋を描きながら、その外側に向かって花を並べて行くように見えるもので、『ワスレナグサ』もこの仲間です。
他にも幾つかありますが長くなるので....