タマノカンアオイ

この花を知らないと、ほとんどの人は通り過ぎていくのですが……
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本来は、カンアオイの仲間は葉の変異が多くて、茎や根あるいは萼筒の中を切開しないと同定が困難らしいのです。
オイラはこれまで、一応…カンアオイの仲間を三つくらい記事アップしてますが、同定するのに、かなり迷いました。
植物園などでも、ときどき間違ったりしているのを見かけますけれど・・・
多摩の寒葵 タマノカンアオイ
絶滅危惧II類(VU)に指定されてますね。
◇科名:ウマノスズクサ科 ◇属名:カンアオイ属(Asarum=ギリシャ語の「asaron =枝を打たぬ」からなのですが、関係は不明) ◇学名:Asarum tamaense(またはHeterotropa tamaensis(tamaense=多摩の)
和名の由来は、まさに東京の多摩丘陵で発見されたことによるもの。
常緑多年草で、花よりもこの葉っぱを鑑賞するのが目的の場合が多いですね。
草丈は20センチ程で、本州の関東地方南西部、静岡県に分布します。
花期は本来はもっと後かと思うけどね。仲間には以前にも記事アップしてますが《カンアオイ(寒葵)》《コシカンアオイ(越の寒葵)》があります。
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多摩丘陵や高尾山など、関東地方南部の林内に生育している。絶滅危惧種に指定されている。《カンアオイ》よりも花期は遅くて、本来は3~4月頃に、落葉樹林下で花をつけます。
カンアオイ》の仲間の特徴として、花には花弁がなく、この花弁のように見えるのは萼です。《カントウカンアオイ》とかだと、花弁の色が緑に近いです。コシノカンアオイだともう少し葉っぱが細めかな?と思うので、今回は《タマノカンアオイ》だと同定。
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表面は濃い緑色で鈍い艶があり、脈のへこみが目立ちます。
葉のつけ根の形は心形で、開花時期は本来なら3月から4月である。
萼筒の色は暗い紫色で、萼筒は先がやや開いた筒形で、先は3つに裂ける。
裂片の縁が波打つのが特徴です。
花は直径が3~4センチで、暗紫色または暗紫褐色を帯びており、萼筒は先がやや開いた円筒形で、3つある萼片の周辺部は波打っています。
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葉柄の基部に付き、少し地に埋もれる様に咲きますから、葉っぱの下に花が咲く事と合わせホントこの植物を知らなければ、花があるのは気がつかない人が多い。
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花柱は萼筒の半分より短い。