ミズヒキとキンミズヒキ

夏頃から道端や藪草の間など、どこにでも見かけます。今の時期は、蜘蛛が巣を張る、格好の場所になってるね~( ̄Д ̄)ノ
==【ミズヒキ】==

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日本全土の林ややぶのふちなどにふつうに生える多年草。高さは50センチから、伸びれば100センチくらいになります。
葉は互生につき、長さは7~15cmの広楕円形~倒卵形で、先は急にとがり、中央付近にしばしば黒い斑点があります。

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茎の先に長さ約30cmの細い総状花序をだし、小さな花がまばらに横向きにつきますが、ルーペでも使わないと、花はよく見えないかもね~( ̄▽ ̄)。

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《◇科名:タデ科 ◇属名:ミズヒキ属/*イヌタデ属(Antenoron=ギリシャ語の「antenna=触角」から ◇学名:Antenoron filiforme(syn. Persicaria filiformis) (filiforme=糸状の)》

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花被片は深く4裂して、上部の3個は赤で、下部の1個は白になりますが、この紅白の見た目が、名前のミズヒキの由来になりますね。

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『水引(ミズヒキ)』は、細い"こより"に、のりをひいて乾かし固めたものです。
進物用の包み紙などを結ぶのに用いますね。ふつうは、数本を合わせて、中央から色を染め分けますね。で……
☆吉事の場合は紅と白、金と銀、金と赤などです。
★凶事の場合は黒と白、藍と白などになっております。
◎結び目の形は目的によって使い分けられます。大事な基本ですが、、、、、
☆端を引くとほどけて結び直せる"蝶結び"は、出産・長寿など何度繰り返してもよい祝い事に用います。
★端を引いてもほどけない"結び切り"は、結婚・病気見舞い・弔事などの一度きりを願うものに用います。
☆☆"鮑(あわび)結び(淡路結び)"は、結び切りに準じます。
更に決まり事として、水引は何本かの紐を束ねたものですが、、、、、、
☆☆慶事では基本的には奇数の水引を使います。ベーシックなものは5本です。3本のものも7本のものもありますが、それぞれ簡素化したものと、より丁寧にしたものです。例外的に、婚礼では10本の水引を使用します。これは、5本を2倍にして、より豪華にしたとされるからですね~ヾ(@⌒ー⌒@)ノ
★★一方、弔事には基本的に偶数の水引を使用します。
4本を中心に、2本のものと6本のものがありますが、最近では5本の水引を使用することもあるようです。
さて、名前の由来になったミズヒキの説明はこの辺で…花に戻します。

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花柱は2個で、そう果は花被片に包まれて熟し、先がカギ形に曲がった花柱が残り、これで動物などにくっつく"くっつき虫"ど呼ばれるものの一つになるワケです。
花期は8~10月。花被片が全部白色のものもあって【ギンミズヒキ】と言います。
全体にほとんど無毛、葉が細長く厚い、花穂の節間が狭く、花が密集して付く【シンミズヒキ】もありますが、ほとんど見かけないね~。

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さてと、丁度一緒に咲いていたのですが、、、、、黄色い花。
==【キンミズヒキ】==

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コチラもよく見かけますね。やはり、北海道~九州の道ばたや草地に生える多年草。高さは30~120センチと、ミズヒキとほぼ同じですが、全体に毛が多い。
葉は奇数羽状複葉で、小葉は5~9個で大小があって、裏面に腺点があります。

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黄色い花の直径は0.7~1センチ。雄しべは約12個あります。2個の雌しべは萼筒に包まれ、ふつうは1個だけ成熟します。
萼筒がよく発達し、萼片は5個。萼筒のふちには副萼片の変化したカギ状の刺が多数ある。

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そう果は萼筒と萼片に包まれて熟し、やはりくっつき虫になり、刺で動物にくっつく。花期は7~10月。

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《◇科名:薔薇科 ◇属名:キンミズヒキ属(Agrimonia=花に刺の多い点でargemone(ケシ科)に似ているため「Pliny」が転用したのですが、なんとその際綴りを取り間違えたものです)*argemoneはアザミゲシなど ◇学名:Agrimonia pilosa var.japonica(pilosaは軟毛のある、毛で被われたと言う意味)》
東ヨーロッパ、アジアが原産です。茎は学名にあるように毛が多く、茎や枝の先に穂状の黄色い花を付けます。
葉は5~9枚。山道の側など、やや自然性の高い草地に生育します。
よく似たヒメキンミズヒキの花弁は細く、雄しべの数は5~6本です。で…コレが、、、、、

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==【ヒメキンミズヒキ】==
小葉の形は楕円形で、縁には鋸歯があります。
《◇科名:バラ科 ◇属名:キンミズヒキ属(Agrimonia=ギリシャ語の「argemone=アザミゲシ属」から。棘が多くて似ているためなのですが、転用する際に綴りを間違えたということですね ◇学名:Agrimonia nipponica nipponica=日本の)》
開花時期は8月から9月で、茎先に細長い穂状の総状花序を出し、黄色い5弁花を疎らにつけます。