和蘭陀海芋

湿地を好む栽培植物で、花壇や切り花で見かけますね。ここでは群生していますよ~。
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開花時期は本来、7月ころだったと思うのですが…。
二度咲きすると言うことを聞いたことがあるので、多分コレが二度咲きの時かもしれませんが…それでも、確か二度咲きの時は10月頃に咲く、と聞いた記憶があるので、この場所のはかなり遅いですね~。
オランダカイウ 和蘭陀海芋
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原産地は南アフリカで、日本へは江戸時代に渡来しました。
「海芋」は「海外の芋」といった意味合いで、国交のあったオランダから伝わったのが和名の由来。
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別名を【カラー(Calla)】ともいいますが、これは以前の分類の名残。この別名の方が流通名で知られているかもしれませんね。
ギリシャ語で美しいを意味する「calla」に由来するといわれます。これがそのまま英名になっています。 一部では名前の由来がシャツの襟(カラー)に似ているから…なんて言われていますが(笑)。
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現在では逸出したものが本州から沖縄にかけて野生化し、湿地に生えるようになりました。
草丈は30センチから70センチくらいで、葉は大形の矢尻形で、長い柄があります。
葉は肉厚で艶があって、少し巻いています。
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◇科名:サトイモ科 ◇属名:オランダカイウ属(Zantedeschia=17世紀イタリアの植物学者「Giovanni Zantedeschi=ジョヴァンニ・ザンテデシ」の名から 学名:Zantedeschia aethiopica(aethiopica=エチオピアの)
オランダカイウを指す時の学名が「Zantedeschia=ザンテデスキア」となります。
南アフリカ原産で、ナイル川にたくさん自生しています。白い花の形状と美しさから【ナイルのユリ】という名前もあります。
イギリスでは同じくユリのような美しさから【カラー・リリー】や、ラッパのような花であることから【トランペット・リリー】の名があります。
花のように見える、漏斗状に巻いている白い花弁に見えるものは、仏炎苞と呼ばれる葉が変化したもので、サトイモ科特有の「仏炎苞」という部分です。
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真ん中にある直立したこの黄色い棒状のものが本来の花で、小花の密生する肉穂花序と呼ばれる、花軸が多肉化して花が表面に密生したものです。
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長さ40cm程の矢じり型の葉を叢生し、暖地では常緑になります。
湿地性の植物なので、年間を通じて地下水が湧き出たような水分の多い場所でよく育ちますが、かん水を十分に行えば畑地でも栽培できます。この場所は畑のお隣で、以前は山葵畑もあったところです。

寒さに弱い植物とされますが、冬に-5℃くらいに下がる場所でも、地下茎が生き残って越冬します。
まぁ、今年は今のところ暖冬ですもんね~。
因みに、植え付けをする時には、成長するとこのように株がとても大きくなるので(笑)、4~5年に1回は掘り上げて分球して植え替えたほうがいいらしいです。また地温が高いと根茎が腐敗しやすくなるようです。
花の後にできる実は果皮が肉質で液汁が多い液果。
俳句では「海芋」が夏の季語になっています。
※黄色や桃色のものもあるのですが、中には品種が異なって畑地性のものもあって、これらは同じオランダカイウ属ですが、種が異なります。
切り花をよく見かけますが、水温が安定している湧水を利用したハウス栽培のものですね。苞が緑がかった‘グリーンガッテス’という品種もあります。