カッコウチョロギ
郭公草石蚕(カッコウチョロギ)
中世には邪気を払うお守りとしても使われたといわれていて、日本へは観賞用として渡来しました。なお「草石蚕チョロギ」というのは中国原産のシソ科の多年草の名称。
日本には17世紀に朝鮮半島から渡来しました。
草丈は45センチから60センチくらいで、茎の断面は四角形です。葉は長い楕円形で、対生につきます。葉の縁には鋸歯があります。茎や葉には銀白色の毛が密集します。
開花時期は6月から9月で、茎先に穂状の総状花序を出し、ピンクや紫色の小さな唇形の花を咲かせます。
花の後にできる実は複数の子房からできた分果。
英名は『ベトニー(betony)』で、そこから大輪ベトニーとも呼ばれています。
「草石蚕(チョロギ)」という和名の由来は、中国語の 「朝露葱」 が日本語読みされたというものや、韓国語でミミズを意味する「チョロンイ」が転じたとされるものなど諸説あります。これに 「長老木」や「長老喜」、「千代呂木」などの字が当てられたことから、おせち料理によく用いられます。赤ジソの梅酢で漬けると鮮やかな紅色になり、お正月の食卓を彩る一品となります。チョロギの掘り上げた塊茎は、まるで蚕のようで、これが生薬名の「草石蚕」の由来となっています。「草石蚕チョロギ」は、日本には17世紀に朝鮮半島から渡来しました。5~6月にピンク色の花を咲かせます。秋から初冬になると地下茎の先が肥大して塊茎と呼ばれる巻貝のような球根を形成します。塊茎および全草を乾燥させたものが生薬の『草石蚕(ソウセキサン)』で、スタキドリン、コリン、スタキオースなどを含み強壮作用、鎮咳作用があります。
但し…この『カッコウチョロギ』は塊茎を形成しません。全草に鎮静・鎮痛作用があります。