ヒヨドリ

オイラの仕事場で、毎日うるさいくらいに鳴いて飛び回ってるのがヒヨドリです。
東京では1970年頃までは10月に渡来し、4月に渡り去る冬鳥でした。それが、留鳥として一年中棲むようになりました。より南に棲んでいた留鳥が北上してきたものと考えられています。もっとも今も、秋には北海道から多数のヒヨドリが本州、四国、九州へ渡ってきます。
普段はヒヨドリの写真など撮らないのですが、先日公園で見かけたときのを…
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Hypsipetes amaurotis スズメ目 ヒヨドリヒヨドリ
全長27.5cm。全体が灰色に見える色彩ですね。花の蜜や果実を好んで食べますが、これは熱帯が主生息地であった祖先ヒヨドリの名残り、と言う事です。
今では雑食性で、虫や草の葉や、芽も食べますが、花が咲くと蜜を吸いにやってきます。
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飛ぶときは数回羽ばたくと翼をたたんで滑空するパターンを繰り返して飛ぶため、飛ぶ軌道は波型になります。『ハクセキレイ』も同じ飛行の仕方ですよね。
ところで…ヒヨドリは日本中に棲んでいますが、実は分布がほぼ日本国内に限られているため、日本を訪れる海外のバードウォッチャーにとっては日本で観察したい野鳥のひとつらしいですね。
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小笠原や沖縄など南の離島では留鳥ですので、独自に色彩が変化し、茶色味の強くなった亜種がいくつも知られています。
ヒヨドリと言えば…一ノ谷の戦いで、源義経が平家の軍勢を追い落とした深い山あいを「ひよどり越え」と言いますが、そこが春と秋ヒヨドリの渡りの場所になっていたことからなのです。
農家ではキャベツの葉を食べたり、花を食べたりする害鳥ですが、ヒヨドリの舌はブラシ状になっていて、そこに蜜を溜めて舐め採ることが出来ます。このような舌の構造は、一般的に花の蜜を舐める習性のある鳥に見ることが出来き、『メジロ』も同じような構造を持っています。
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ヒヨドリは雑食性で、植物の実や昆虫など色々なものを食べていますが、花の蜜を飲むときはこの長い舌が役に立っています。
しかし…お庭で餌場を作って、野鳥を呼んでいるご家庭では、他の野鳥に対しては、まさに餌場のギャングと言いたくなるくらい暴れ回ってるのではないでしょうか(笑)
オイラの仕事場でも、全く可愛げがない顔で、ツバキなどの花を食い散らかしていきます。
ひよどりの こぼし去りぬる 実の赤き 蕪村