月の光

日が暮れるのが早くなってきました。東京だと4時過ぎには、陽が沈むまですぐです。
昨日の17:48の月です。まだ出てきたばかりですね。
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月が赤っぽく見えるのは、大気の影響による現象で、月の出や、もしくは月の入りのときのように、月が地平線あるいは水平線に近いときに、赤っぽく見えやすくなりますね。
丸い地球をとりまく大気の厚さは、どこでもほぼ同じですが、地上から見ると、見る方向によって、厚さが違います。頭の真上の方向がいちばん薄く、水平方向に近くなればなるほど、大気を斜めに通して見る事になりますから厚くなっていきますね。
なので、地平線(水平線)近くに月があるときは、月からの光が、厚い大気の中を通過することになります。すると、青い光は届きにくく、赤い光だけが私達の目に届きます。そのため、月が赤っぽく見えるのです。
大気は透明に見えますが、長い距離を考えると塵や埃、水蒸気などの影響により月の光は減光されます。また光のなかでは、波長が長い赤い光が邪魔されにくく、遠方までよく届きます。このため月は高度が低いほど暗く、赤っぽい色合いになります。これは朝日や夕日が赤いのと同じ理由です。
 
※どんな形の月でも、月だけでなく実は星も、地平線近くにあるときには赤っぽく見えます。
また、月の色は大気の清浄度に大きく影響されます。春から夏にかけての大気の透明度が悪い日などには、頭上に見える月でも暗くて赤っぽく見えることがあります。
風が強い冬の日や台風が通りすぎた後は大気中の塵や埃が吹き飛ばされ、大気の透明度は良くなります。こういう日には遠くの山々が驚くほどはっきりと綺麗に見えることがあり、月は青白いほどに眩しく輝きます。
コチラが今日の21:10の月です。
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コチラは一昨日16日。
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03:35の月
 
普段、私達が目にする光の中には、虹の七色で表現されるように、青い光から赤い光までいろいろな色が混ざっていて、全体としては白っぽい光となっています。
月からくる光も最初は白っぽい光です。しかし…月の光が私達の目に届くまでには、光が地球の大気の中を通過してくる事になります。青い光は赤い光に比べて、地球の大気の中を進む途中で大気の分子にぶつかって、あちこちに散乱されやすい性質があります。このため、大気の中を長く通過すればするほど、青い光は私達の目に届きにくくなります。一方、赤い光は大気の中を通過しても、散乱されにくいので、私達の目まで届くことができます。

特殊な場合として皆既月食の時には赤銅色の月を見ることができます。