二重の虹

オイラの仕事場近くは、早朝に強い雨が降りました。まぁ、現在も今にも降りそうな空模様なのですが…。
取り敢えず…朝の6時くらいに降った雨は一旦…ですが、青空が見え始めたのです。
陽が差してきて、そして目の先には…
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綺麗な虹が… しかもダブル
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虹は、赤から紫までの光のスペクトルが並んだ、円弧状の光の帯の事ですね。気象現象の中でも、大気光学現象に含まれます。
太陽の光が、空気中の水滴によって屈折、反射されるときに、水滴がプリズムの役割をするため、光が分解されて、複数色の帯に見えます。ところで、虹は日本では七色と認識されていると思いますが…国によっては違うのです。
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さて虹が七色(赤、橙、黄、緑、青、藍、紫)じゃない…となると一体何色なんだ?となりますが、そもそも虹を七色と定義したのは実は、ニュートンの虹の研究に由来する学校教育によるものなのですね。
これは、イギリスでは虹の基本色は赤黄緑青紫の5色と考えられていたのですが、ニュートンは柑橘類のオレンジの橙色と植物染料インディゴの藍色を加えて7色としたのです。
もっともニュートンは、虹の色と色の間は無限に変化していることを知っていたのですが、それにもかかわらず、虹を7色としたのは、当時、7が神聖な数と考えられていたからなのですね。
音楽のオクターブもドレミファソラシの7音からなっていますね。ニュートンは美しい虹も7つの基本の色からできているとしたのです。もっとも…ニュートンが虹を7色と決めたからといって、イギリス社会一般で虹の色が7色だと統一されたわけではなかったのです。
実際、現在のアメリカでは虹の色は一般的には赤、オレンジ、黄、緑、青、紫の6色と認識されています。
そのため、アップルコンピュータの(旧)マークは6色でした。
ドイツでは物理の教科書でスペクトル分類と合わせて赤、オレンジ、黄、緑、青、紫の6色ですが、ニュートンの名とともに'藍(インディゴ)を加えて7色としていル場合もあるようです。
実は月の光でも虹は出来るのです。ですが…月の光量ではせいぜい白一色出すのが精一杯なのです。実は、歴史上の白い虹としては、作家の井伏鱒二が1936(昭和11)年.2月25日に、白い虹が皇居上空の太陽を貫いているのを目撃した…と言うものがあるのですね。このような現象の事を『白虹貫日』と言い「白虹は兵の象、日は君で、君に危害を加へる(大漢和辞典)」して、よくない事が起こる前兆だと古来より言われています。因みに…井伏鱒二が白い虹を目撃した翌日というのは、当然…2月26日でございますね。その日は大雪が降り積もり、かの226事件が発生しております。

さて話をこのWレインボーに戻しましょう。
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内側を主虹(しゅこう)外側を副虹(ふくこう)と呼びます。
二重虹-ダブルレインボウ-については、ハワイでは「見た人は幸せになる」「願い事が叶う」「またここに帰ってこられる」といった『幸運のシンボル』とされているらしいですが…。
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ところで…虹にまつわる言い伝えは世界各国で「吉」とする国々、「凶」とする国々があるようです。
虹は、沖縄では雨呑み者アミヌミヤーと言うそうです。雨呑み者は赤まだらの蛇で、その蛇が天の泉の口を塞いで水を呑んでしまうので、下界に雨が降らなくなる、と伝えられていました。奄美大島では、はっきりと天の長虫ティンナギャと呼びます。長虫とは、蛇のことです。

 虹と蛇を同一視する考え方は、実は日本全体はもとより、全世界的にみられるものです。蛇は虹のように長くて足無しだし、うろこは虹色にきらめくし、イメージ的によく合っていたのでしょう。日本語の”ニジ(古くはヌジ)”という言葉自体、蛇類を表す古語”ナギ(ナジ)”に通じるという説があります。また、”虹”という漢字には虫偏がついていますが、この虫は蛇を表しているとも考えられます。(セミを表す、という説もあります。セミは太陽・生命の象徴です。)