ノササゲ

散策中に藪から大きく伸びているのを見かけました。
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長さ3mほどにもなるツル性の多年草で、半日陰になる林縁などに生育していますね。
ノササゲ 野大角豆
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初秋に花を咲かせます。葉腋に数個つけ、長さ2cmほどの細い筒状で、基部の筒状の部分(ガク筒と言います)が、花筒の半分ほどもあって淡緑色で、その先が淡黄色の花弁になっていて先が小さく開いているのが特徴です。萼片はほとんど目立ちません。
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別名は『キツネササゲ』で、花期は8~10月。
◇科名:マメ科 ◇属名:ノササゲ属(Dumasia=フランスの J.B.Dumas の名に因んだもの) ◇学名:Dumasia truncata(truncatus=切形の,頭が急に断ち切られた)
ノササゲは「ノササゲ属」で、「ササゲ属」とは別属とされています。植物学的には「ササゲ属」では花序の節がコブ状になることで同定します
名前の「ササゲ」ですが、マメ果が最初は上向きにるので「捧げる」から転訛したというのが一般的です。野に生育するササゲという命名ですね。
ハッキリ分かりませんが「大角豆」の漢字名は、平安時代『倭名類聚抄』に「大角豆」としてササゲの名が現れています。豆果が角ばっているから大角豆。
万葉集や多くの和歌集には詠われていません。文学的にも記載はないようです。多くの本草書にもその名は現れていません。 万葉集には「マメ」が現れていますが、これはヤブマメであるとされています。
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葉は、三出複葉で、小葉は長さ10㎝ほどとやや大きく、三角形状で葉先と角は丸く、葉質が薄くて色がやや淡緑色で全縁(葉の縁に縁にギザギザがない)なのが特徴です。
大きさや形態はミツバアケビの葉にやや似ていますが、ミツバアケビの場合は、葉の縁に波状の鋸歯がありますね。
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大きな特徴は、マメ果の色が濃紫色に熟すことです。マメ果はやや細長く長さ5cmほどです。晩秋に裂開して黒紫色の径5mmほどの球形の種子を出します。 
以前からのもう一つのブログで記事アップした画像があるので… 
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コレが若い豆果です。色づくと…
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割れると…
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紫色の豆
ところで…名前にササゲとついてるのにササゲ属じゃないわけですが…(笑)。ササゲ属の代表は『アズキ(小豆)』でございます。やはり、以前に別ブログで記事アップした『ノアズキ』は「ノアズキ属」です。